リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

テレ朝の3人の医師の言い分;NHKの中絶薬に関する報道3本

国内での治験に参加 東京大学大須賀穣教授:「非常に安全な薬として、WHO(世界保健機関)にも推奨されています。日本の治験でも問題となるような有害事象は発生しませんでした」


日本産婦人科医会・前田津紀夫副会長:「結構な出血をするのと、止まらなくなる場合がある。おなかの痛みも伴う。陣痛のような痛みがくるので、どのように対応していくのかが課題」


女性ライフクリニック・対馬ルリ子医師:「避妊も中絶も公的サポートがあるべき。相談できず産んだ赤ちゃんを見捨てるしかないのは、一番悲惨なこと。それを防ぐためにも、早く気づいて中絶という医学的なレスキューもある。自分が産みたい時に産める自分になる、そういう希望が一番大事」
news.tv-asahi.co.jp

2021年4月22日 日本産婦人科学会

経口中絶薬 年内めど承認申請へ “治験で有効性 安全性確認”
2021年4月22日 17時49分

 人工妊娠中絶を外科的な処置をせずに薬で行う「経口中絶薬」の国内での治験の結果、93%が想定の時間内に薬だけで完了し、有効性と安全性は確認されたと22日、学会で報告されました。製薬会社は年内をめどに中絶薬として国内で初めて国に承認の申請をする見通しです。

 薬による妊娠中絶は「ミフェプリストン」と「ミソプロストール」という2種類を順番に服用することで、妊娠の継続を止め、胎児や胎盤を排出させるもので、WHO=世界保健機関が安全な方法として推奨しています。

 世界では70か国以上で承認されていますが、日本ではほとんど知られておらず、女性団体や医療関係者が女性の心身の負担軽減のために承認が必要だと訴えていました。

 こうした中、イギリスの製薬会社「ラインファーマ」が、日本国内で有効性と安全性を確かめるために行った治験の結果が、22日から始まった日本産科婦人科学会で報告されました。

 これによりますと治験では、去年6月までに妊娠9週までの120人に薬を投与した結果、93%に当たる112人が想定の24時間以内に薬だけで中絶を完了したということです。

 残る8人は、一部が体内に残り外科的な処置が必要になったり、時間内に排出されなかったということです。

 また、6割に当たる71人が海外でも報告されている腹痛やおう吐などの症状を訴え、このうち薬の副作用と判断されたのは45人で、1人に発熱や出血による貧血など重い症状があったということです。

 産婦人科医で今回発表した東京大学大須賀穣教授は「症状はほとんど軽度か中等度で、いずれも回復に向かったとのことで、日本人に対する有効性と安全性が示された」と報告しました。
www3.nhk.or.jp

「経口中絶薬」の使用 承認申請 国内初 手術伴わない選択肢
2021年12月22日 16時21分

 人工妊娠中絶を外科的な処置をせずに薬で行う「経口中絶薬」について、イギリスの製薬会社が国内での使用を認めるよう22日、厚生労働省に承認を申請しました。

 承認されれば国内で初めての経口中絶薬となり、手術を伴わない選択肢ができることになります。

 承認の申請が行われたのは、イギリスの製薬会社「ラインファーマ」が開発した、人工妊娠中絶を外科的な処置をせずに薬で行う「ミフェプリストン」と「ミソプロストール」の2種類です。

 ラインファーマなどによりますと、この2種類の薬を順番に服用することで、妊娠の継続を止め、排出されるということで、治験の結果では、妊娠9週までの120人に薬を投与した結果、93%に当たる112人が24時間以内に薬だけで中絶を完了したということです。

 残る8人は、一部が体内に残り外科的な処置が必要になったり、時間内に排出されなかったりしたということです。

 また、およそ60%に当たる71人が腹痛やおう吐などの症状を訴え、このうち薬の副作用と判断されたのは45人で、1人に発熱や出血による貧血など重い症状があったということです。

 この薬は海外では80以上の国と地域で承認され、WHO=世界保健機関は安全で効果的だとして推奨しています。

 また、日本の初期中絶の手術費用に比べ安価で、体への負担も軽いということで、女性団体や医療関係者から心身の負担軽減につながるという声もあります。

 厚生労働省はこれから1年以内に有効性や安全性を審査する見通しで、承認されれば国内で初めての経口中絶薬となり、手術を伴わない選択肢ができることになります。


すでに多くの国と地域で承認 使用も
 今回、承認が申請された経口中絶薬の「ミフェプリストン」と「ミソプロストール」は世界ではすでに多くの国と地域で承認され、使われています。

 日本では人工妊娠中絶は金属の器具でかき出す、「そうは法」と呼ばれる手術で行われるケースが少なくありませんが、海外では欧米を中心にこれらの「経口中絶薬」が広く使われています。

 アメリカのNPO団体などによりますと、今回、承認が申請された「ミフェプリストン」は、1988年にフランスなどで初めて承認されて以降、ことし10月までに、世界のおよそ80の国と地域で使用されているということです。

 また、「ミソプロストール」は胃や十二指腸潰瘍の治療薬として、日本を含む多くの国や地域で承認されていて、経口中絶薬としては日本以外の多くの国や地域で承認されているということです。

 さらにこれらの経口中絶薬については、WHO=世界保健機関は2005年に妥当な価格で広く使用されるべき薬として、風疹やインフルエンザの予防接種に使われるワクチンなどと同じ「必須医薬品」に指定しています。

 また、WHOは2012年に発表した安全な中絶に関するガイドラインの中で、「そうは法」は子宮内を傷つけるなどのリスクがあり行うべきでないとし安全な中絶として経口中絶薬か真空吸引法に切り替えるべきだとしています。
安価で利用しやすさ求め署名も
 経口中絶薬を安価で利用しやすいようにしてほしいと、7つの市民団体が署名活動を行っていて、12月14日には4万人分余りの署名を厚生労働省に提出しています。

 署名では、経口中絶薬は、
▽安全で効果的だとしてWHO=世界保健機関が「必須医薬品」に指定していること、
▽海外では1988年から使われ、現在では日本で申請された薬はおよそ80か国、そして、薬による中絶はおよそ100か国で承認されていること、
▽海外ではオンラインで診察し、処方している国もあることなどから、
厚生労働省に対し、速やかに承認し、当事者の女性が利用しやすいようにするよう求めています。

 さらに、経口中絶薬の価格について、WHOによると海外での平均価格はおよそ740円であるとして、国内で承認された場合は安価な料金で処方されるようにしてほしいと訴えているほか、WHOは胎児の心拍が止まり、流産になったときでも使用を推奨しているとして流産への適応拡大も求めています。

 署名を提出した市民団体の1つ「Safe Abortion Japan Project」の代表で、産婦人科の遠見才希子医師は「国際的なガイドラインに基づいて運用管理が行われ、中絶薬による安全な中絶が早期に実現することを願っています」と話しています。


産婦人科医会は慎重な姿勢
 経口中絶薬の承認申請について、日本産婦人科医会の木下勝之会長は「医学の進歩による新しい方法であり、治験を行ったうえで安全だということならば、中絶薬の導入は仕方がないと思っている。しかし、薬で簡単に中絶できるという捉え方をされないか懸念している。薬を服用し、夜間に自宅で出血した場合に心配になる女性もいると思う。そうした場合にすぐに対応できる体制も必要だ」と述べました。

 日本産婦人科医会は、処方は当面、入院が可能な医療機関で、中絶を行う資格のある医師だけが行うべきだとしていて、木下会長は「医師は薬を処方するだけでなく、排出されなかった場合の外科的手術など、その後の管理も行うので相応の管理料が必要だ」と述べて、薬の処方にかかる費用について10万円程度かかる手術と同等の料金設定が望ましいとする考えを示しました。

www3.nhk.or.jp

【詳しく】経口中絶薬 どんな薬?安全性と副作用は?費用は?
2021年12月23日 17時52分

 「経口中絶薬」の承認の申請をイギリスの製薬会社が行いました。承認されれば国内で初めてで、手術を伴わない選択肢ができることになります。

 海外ではすでに多くの国や地域で使用されているという「経口中絶薬」。いったい、どういう薬なのか調べました。



今回申請された「経口中絶薬」とは?
 イギリスの製薬会社「ラインファーマ」が開発した、「ミフェプリストン」と「ミソプロストール」の2種類です。

 会社によると、この2種類の薬を順番に服用することで、妊娠の継続を止め、排出させる働きがあるとしています。


有効性は?
 
「ラインファーマ」は薬の有効性と安全性を確かめるための治験を日本国内で行いました。

 対象は妊娠9週までの120人で、このうち93%にあたる112人が当初想定した24時間以内に薬だけで妊娠中絶を完了したということです。

 残る8人は、一部が体内に残り外科的な処置が必要になったり、時間内に排出されなかったりしたということです。
副作用は?安全性は?
 全体のおよそ60%にあたる71人が腹痛やおう吐などを訴えました。

 副作用と判断された45人のうち1人は発熱など重い症状があったということです。
 治験に参加した東京大学大須賀穣教授は「一般的には非常に安全な薬とされ、副作用はほとんどないとされている。ただ、子宮を収縮させるので、下腹部痛や腹痛を感じることは多い。鎮痛剤を一緒に服用することで、痛みはある程度緩和される。また胎のう(胎児と胎盤になるもの)が排出されるので、一定の出血は必ずあるが、それ以上の出血が見られたケースも数は少ないがあった。出血があった場合は、貧血になったりや他の病気が要因となっていたりするので、医師に相談してほしい」としています。


誤飲、悪用防ぐために必要なことは?
 大須賀教授は「悪用されると犯罪につながりかねない薬なので、医師の管理のもとで使用されることが望ましい。薬剤一つ一つに番号をつけて流通を管理したうえで、医師の目の前で服用してもらうなどの方法がとられることになると思う」と話しています。


日本産婦人科医会会長の見解は?
 日本産婦人科医会の木下勝之会長は「医学の進歩による新しい方法であり、治験を行ったうえで安全だということならば、中絶薬の導入は仕方がないと思っている。しかし、薬で簡単に中絶できるという捉え方をされないか懸念している。薬を服用し、夜間に自宅で出血した場合に心配になる女性もいると思う。そうした場合にすぐに対応できる体制も必要だ」と話しています。

 また、日本産婦人科医会は、薬の処方は当面、入院が可能な医療機関で、中絶を行う資格のある医師だけが行うべきだとしています。


会長の見解で望ましい費用は?
 木下会長は「医師は薬を処方するだけでなく、排出されなかった場合の外科的手術など、その後の管理も行うので相応の管理料が必要だ」と述べて、薬の処方にかかる費用について10万円程度かかる手術と同等の料金設定が望ましいとする考えを示しました。


海外では平均約740円ほど(調達の参考価格)
 海外ではすでに多くの国と地域で使用されています。

 UNFPA国連人口基金によると、海外での経口中絶薬の平均価格(調達の際の参考価格)は日本円にしておよそ430円からおよそ1300円ほどだということです。

 WHOによると、海外での平均価格(調達の際の参考価格)はおよそ740円ほどだとしています。


海外ではどの程度普及?
 アメリカのNPO団体「Gynuity Health Projects」によりますと、今回、承認が申請された「ミフェプリストン」は、1988年にフランスなどで初めて承認されて以降、ことし10月までに、世界のおよそ80の国と地域で使用されているということです。

 また「ミソプロストール」は経口中絶薬としては日本以外の多くの国や地域で承認されているということです。


WHOが「必須医薬品」に指定
 WHO=世界保健機関は2005年に、妥当な価格で広く使用されるべき薬として、「必須医薬品」に指定しています。

 ちなみに「必須医薬品」には風疹やインフルエンザの予防接種に使われるワクチンなど540余りの品目が指定されています。


日本での人工妊娠中絶の方法は?
 現在、日本では▼子宮に器具を入れて胎児や胎盤を掻き出す「そうは法」か▼器具で吸い取る「吸引法」▼またはそのふたつを併用する方法がとられています。

 WHOは2012年に発表した安全な中絶に関するガイドラインの中で、「そうは法」は子宮内を傷つけるなどのリスクがあり行うべきでないとし安全な中絶として経口中絶薬か真空吸引法に切り替えるべきだとしています。


国内では薬の利用しやすさを求め署名活動も
 経口中絶薬を安価で利用しやすいようにしてほしいと、7つの市民団体が署名活動を行っていて、12月14日には4万人分余りの署名を厚生労働省に提出しています。

 署名では、経口中絶薬は安全で効果的だとしてWHO=世界保健機関が「必須医薬品」に指定していること、すでに多くの国と地域で使用されていることなどをあげています。

 署名を提出した市民団体の1つ、「Safe Abortion Japan Project」の代表で産婦人科医の遠見才希子医師は「国際的なガイドラインに基づいて運用管理が行われ、中絶薬による安全な中絶が早期に実現することを願っています」と話しています。


今後のスケジュールは?
 厚生労働省はこれから1年以内に有効性や安全性を審査する見通しで、承認されれば国内で初めての経口中絶薬となり手術を伴わない選択肢ができることになります。
www3.nhk.or.jp