リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

アングル:中絶の権利認めない米最高裁判断、立役者はトランプ氏

ロイター

[ワシントン 24日 ロイター] - 退任から17カ月を経た24日、トランプ前米大統領は選挙公約の実現を果たした。同氏の指名人事により保守派が過半数となった米連邦最高裁が、人工妊娠中絶を憲法上の権利と認める1973年の「ロー対ウェイド判決」を覆す判断を下したのだ。


 退任から17カ月を経た24日、トランプ前米大統領は選挙公約の実現を果たした。同氏の指名人事により保守派が過半数となった米連邦最高裁が、人工妊娠中絶を憲法上の権利と認める1973年の「ロー対ウェイド判決」を覆す判断を下したのだ。写真は2020年1月、デモ行進する中絶反対派のグループ(2022年 ロイター/Kevin Lamarque)
 今回の判決は、米国の裁判所の保守化を狙った組織的で資金豊富な数年がかりの保守派運動にとっての勝利でもある。法曹活動家や、上院のマコネル共和党院内総務の巧みな政治的駆け引きの後押しもあった。

 トランプ氏は在任中の2017年にニール・ゴーサッチ氏、18年にブレット・カバノー氏、20年にエイミー・バレット氏の計3人の保守派裁判官を最高裁判事に指名。16年の就任時にはリベラル派が4人、保守派が4人と拮抗していた最高裁のバランスは、トランプ氏の離任時には保守派6人、リベラル派が3人と、保守派の優勢が固まっていた。

 今回の判決では、これら3人の判事はいずれも「ロー対ウェイド」判決を覆す多数意見を支持した。

 トランプ氏は、民主党ヒラリー・クリントン候補を相手にした16年の大統領選候補者討論会で、「ロー対ウェイド」判決を覆す判断をする最高裁判事を指名すると約束していた。

 「もし2人か3人判事を指名できれば、(同判決を覆す判断は)自動的に出てくるだろう。私はプロライフ(人口妊娠中絶に反対)の判事を指名するからだ」と、当時トランプ氏は表明。こうした姿勢は保守派のキリスト教有権者の支持を集め、同氏の政権の重要な支持基盤ともなった。

 今回の最高裁判決を受け、トランプ氏は「ライフにとって近年最大の勝利である今日の判断が実現したのは、尊敬を集める立憲主義の判事3人を最高裁判事に指名して就任させたことを含め、私が自分の公約を全て約束通り実現したからだ。非常に誇りに思っている」との声明を出した。
(後略)

バイデン大統領のコメントだけおまけ。

判決を受け、バイデン大統領は「ドナルド・トランプという一大統領が指名した3人の判事が、司法をひっくり返し、この国の女性の基本的権利を消す内容の今日の判断の中心にいた」と述べ、トランプ氏の役割を認めた。