リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

ジュネーブ宣言の変更

1948年「人命を受胎の時点以降尊重し続ける」⇒1969年「人命を生命の始めから尊重し続ける」⇒2005年「人命に対して最大限の尊重の念を持ち続ける」


【医師の基本的責務】A-11.ジュネーブ宣言


1948年のジュネーブ宣言

1948年9月、スイス、ジュネーブの世界医師会第2回総会で採択


医師の一人として入会を許されるに当たり

  1. 私は自分の人生を人間への奉仕に捧げることを厳かに誓います。
  2. 私は自分の教師たちに、それが彼らの報酬である尊敬と感謝を捧げます。
  3. 私は自分の仕事を良心と尊厳を持って行います。
  4. 私の患者の健康を第一に考慮します。
  5. 私は私に打ち明けられた秘密を尊重します。
  6. 私は全力をつくして高貴な医業の伝統を維持します。
  7. 同業者は兄弟とみます。
  8. 私の義務と私の患者の間に、宗教・国籍・人種・政党・社会的地位の介入を許しません。
  9. 私は人間の生命を、その受胎の時以降、できるだけ尊重するように努めます。
  10. たとえ脅迫されても、私は自分の医学的知識を人間の法則に反するようには使用しません。
  11. 私は、この誓いを、厳かに、自由意志で、私の名誉にかけて守ります。

1946年Declaration of Geneva原文

I WILL MAINTAIN the utmost respect for human life from the time of conception; even under threat, I will not use my medical knowledge contrary to the laws of humanity.


変更歴
» Decl-of-Geneva-v1968
» Decl-of-Geneva-v1983

I WILL MAINTAIN the utmost respect for human life from its beginning even under threat, I will not use my medical knowledge contrary to the laws of humanity.

» Decl-of-Geneva-v1994

» Decl-of-Geneva-v2005

I WILL MAINTAIN the utmost respect for human life;
I WILL NOT USE my medical knowledge contrary to the laws of humanity, even under

» Decl-of-Geneva-v2006


現行のジュネーブ宣言amended by the 68th WMA General Assembly, Chicago, United States, October 2017

医師の一人として(2017)

  1. 私は、私の人生を人類への奉仕に捧げることを厳粛に誓う。(1948)
  2. 私の患者の健康と安寧が、私の第一に考慮すべきことである。(1948,2017)
  3. 私は、私の患者の自律と尊厳を尊重する。(2017)
  4. 私は、人命に対して最大限の尊重の念を持ち続ける。(1948,2017)
  5. 私は、私の医師としての職責と患者との間に、年齢、疾患もしくは障害、信条、民族的起源、ジェンダー、国籍、所属政治団体、人種、性的志向、社会的地位あるいはその他いかなる要因でも、そのような要因に対する配慮が介在することを容認しない。(1948,2017)
  6. 私は、私への信頼のゆえに知り得た患者の秘密を、たとえ患者の死後においても尊重する。
  7. 私は、良心と尊厳をもって、そして最高の医学水準に従って、私の専門職を実践する。
  8. 私は、医師の名誉と高貴な伝統を育む。
  9. 私は、私の教師、同僚および学生に、彼らが当然受けるべき尊敬と感謝の念を捧げる。(1948,2017)
  10. 私は、患者の利益と医療の進歩のために、私の医学的知識を分かち合う。(2017)
  11. 私は、最高水準の医療を提供するために、私自身の健康、安寧および能力に注意を払う。(2017)
  12. 私は、たとえ脅迫の下にあっても、自分の医学的知識を使って、人権や国民の自由を侵害することはしない。(1948,2006,2017)
  13. 私は、以上の約束事を、厳粛に、自由意思により、そして名誉にかけて誓う。(1948)
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