東奥日報(Yahoo) 11/27(水) 23:15配信
出産で新生児が重度脳性まひ、9124万円賠償へ つがる総合病院(青森県)(Web東奥) - Yahoo!ニュース
つがる西北五広域連合と青森県五所川原市のつがる総合病院は27日、2017年に同病院で生まれた双子の第2子が、出生時に脳の酸素や血液が不足し脳に障害を引き起こす「低酸素性虚血性脳症」となり、重度の脳性まひが残る医療事故があったと明らかにした。病院側は責任を認め、患者と家族に損害賠償金約9124万円を支払う。同日、市内で開かれた同広域連合定例議会で報告した。
同病院によると、出産前に第2子が逆子などの胎位の時もあったという。帝王切開での出産も検討したが出産直前には頭が下にあることを確認し、正常分娩(ぶんべん)で産むこととした。出産時に第2子を取り出すため人工破水したところ、頭より先にへその緒が出てくる「臍帯(さいたい)脱出」が発生。緊急帝王切開で取り出したが仮死状態で、新生児集中治療室(NICU)のある津軽地方の医療機関に搬送したものの脳性まひが残った。
外部の原因分析委員会や専門医に事故に関する意見を聞いた結果、(1)正常分娩と帝王切開のどちらかを選択してもらう時に各出産方法に伴うリスクなどの説明が不十分(2)胎児の頭が十分固定していなかった可能性を完全に排除できない(3)10分以内に新生児を取り上げる「超緊急帝王切開」の体制が取られておらず重大な障害に至った-との判断を受け、同病院は損害賠償金を支払う方針を決めた。
医療事故を受け、同病院で双子の出産を希望する場合は、帝王切開で対応する方針。
同広域連合と同病院は27日、「患者さまとご家族に大変な苦痛とご負担をおかけし、心より深くおわび申し上げるとともに、今後も病院としてサポートしていきたい」などとするコメントを出した。
NHK 青森News Web 11月28日 16時47分
つがる総合病院 7年前の医療事故で9124万円の損害賠償へ
五所川原市のつがる総合病院で7年前の平成29年に生まれた双子の第2子に出産時、脳に十分な血液や酸素が送られず重度の脳性まひが残る医療事故があり、病院側は損害賠償金9000万円余りを支払うことになりました。
五所川原市のつがる総合病院を運営するつがる西北五広域連合は、27日に開かれた定例議会で、7年前の平成29年に生まれた双子の第2子に重度の脳性まひが残る医療事故があったことを明らかにしました。
広域連合によりますと、双子の出産で第2子の分べんを行うために人工的に破水を起こして分べんを促したところ、先に出てきたへその緒が圧迫され血流が悪くなる「さい帯脱出」が起こりました。
その後、緊急帝王切開で分べんを完了させましたが、脳に十分な血液や酸素が送られず、低酸素性虚血性脳症となり、重度の脳性まひが残ったということです。
広域連合は、外部の専門家の意見を踏まえ、分べん方法の選択にあたりリスクについての説明が不十分だったと考えられることや、人工的に破水を行った際、頭が十分に固定されていなかった可能性があったことなどから、損害賠償金として9124万円を支払うことを決めました。
病院は「大変な苦痛とご負担をおかけして心より深くおわび申し上げます。再発防止策の徹底を図り、病院全体で医療事故の防止に努めてまいります」とコメントしています。