中絶薬が承認されたことぐらいで、6年前からほとんど変わっていないなぁ……
2019年、「性と健康を考える女性専門家の会」の避妊・安全な中絶プロジェクトでのワークショップについて振り返ってみた。
個人的な経験から日本のリプロダクティブヘルスに疑問を持ち、研究を進めるうちに、実はこれが「個人的な問題」ではなく社会的・政治的な「不公正」と深く結びついていることに気づかされた。
日本の中絶問題は、課題が山積みである。堕胎罪の撤廃、中絶薬の認可、掻爬から吸引への移行…やるべきことは山ほどある。だが避妊も中絶も高すぎる費用、不十分な性教育、根強いスティグマなど、一体どこから手をつければいいのか。
この状況の根本には戦後の優生保護法がある。これは女性の権利ではなく国の人口抑制策として作られたものだ。1948年という早い段階での合法化が、皮肉にも掻爬(ソウハ)という古い手術法の定着につながってしまった。
1970年代の女性解放運動も、本来は「堕胎罪廃止」を目指していたのに、「優生保護法の経済条項撤廃」という動きに対抗するため、結局「改悪阻止」の立場に転換した。さらに「水子供養」という新しい風習も広がり、中絶への罪悪感が強化されていった。
避妊ピルの導入も1999年まで遅れ、女性の自己決定意識が社会に根付きにくい状況が続いている。
世界経済フォーラムのジェンダー・ギャップ指数で日本が153カ国中121位という現実。だが、若い世代が日本の性と生殖の問題に気づき始めていることに希望を感じる。
私たちはもっと怒るべきだ。不当な現実に声を上げていこう。まずは世界との差を知ることから始めよう。