リプロな日記

中絶問題研究家~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

中絶は“禁止された”はずだったーーだが実際には、女性たちは別のルートを手に入れた

abc news, December 10, 2025

US telehealth abortions increased in 1st half of 2025: Report - ABC News


2025年上半期、米国の中絶の27%がオンライン診療によって行われた。これは単なる医療技術の進歩ではない。国家と宗教が女性の身体を管理しようとする動きに対して、女性たちが選び取った静かな反撃だ。中絶禁止州が増え続ける一方で、テレヘルスとシールド法が広げたのは「違法の抜け道」ではなく、「自己決定の避難経路」である。今、米国では中絶をめぐる戦場が、裁判所から通信回線へと移動している。


以下は記事の要約。

■ 2025年上半期、米国で「遠隔中絶」が過去最高水準に

 2025年1〜6月に米国で実施された中絶のうち、約27%がオンライン診療(テレヘルス)経由だったことが、Society of Family Planning(SFP)の最新データで明らかになった。
 これは2024年末の25%、2022年春の5%から大幅な増加にあたる。

 とくに重要なのが、「シールド法」の存在だ。
 中絶を禁止する州からの訴追を防ぐこの法律の下で、テレヘルス中絶の約55%が実施されており、月平均約1万5,000件がシールド法の保護下で提供されていると推定されている。

 SFPは「テレヘルスは中絶禁止州に住む人々にとって命綱(lifeline)になっている」と明言している。


■ 中絶件数そのものも増加傾向

 2025年上半期、全米で実施された中絶は約59万1,000件。
月平均は約9万9,000件に達し、2022年(約8万件)を大きく上回った。

 ただし、データは一部推計を含み、実数はさらに多い可能性があるとSFPは注意を促している。


■ 中絶規制州は依然23州

 現在、米国では少なくとも23州で中絶規制が有効と、Guttmacher Instituteが報告している。
 それでもなお、対面診療が中絶の多数派である一方、テレヘルスが確実に「代替手段」から「主要手段」へ移行しつつある現実が浮き彫りになった。