リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

2023-12-14から1日間の記事一覧

アイルランド:なぜメレットが重要なのか

Mellet vs. Ireland 2016、Whelan vs. Ireland 2017(Center for Reproductive Rightsのサイトより) くりかえし行われた国連からの働きかけの最後の一撃(二撃?)になった観がある。一部仮訳します。 メレット対アイルランドの委員会裁定は、アイルランド…

女性差別撤廃条約に書き込まれた中絶

一般勧告第 19 号 女性に対する暴力(第 11 回会期、1992 年) 女子差別撤廃委員会による一般勧告(内閣府仮訳) 第 16 条(及び第5条) 22. 強制的な不妊手術又は中絶は、女性の身体的及び精神的健康に悪影響を及ぼし、子の数及び出産の間隔を選択する女性…

子どもの権利条約にいち早く中絶の権利が明記された

子どもの権利条約一般的意見4号(2003年)子どもの権利条約の文脈における思春期の健康と発達 おそらくこれが国連の国際条約で最初に中絶(abortion)が盛り込まれた事例。 以下、4か所に「中絶」。 31.思春期の女子は若年婚と若年妊娠が引き起こしうる悪…

アイルランドの公式見解:中絶は最後の手段、避妊を広めて女性のエンパワーを

1994年カイロ会議におけるアイルランド保健相のスピーチ 家族計画と中絶に触れているところを抜粋、仮訳しました。 https://www.unfpa.org/sites/default/files/resource-pdf/94-09-07_Statemend_of_Ireland_H.E._Mr.pdf 家族計画 家族計画に関する情報とサ…

2005年 K.L. vs. Peru, Human Rights Committee(自由権規約委員会)

ペルーで無脳症の胎児を宿した17歳の少女が中絶を拒絶された事件 中絶拒否が人権侵害であることを、おそらく国連で初めて認定した事例だと思われる。 University of Minnesota Human Rights Libraryより Karen Noelia Llantoy Huamán v. Peru, Communication…