リプロな日記

日本のアボーション(中絶と流産)にまつわる諸問題を研究しています

頭臀長測定で妊娠時期を特定

asahi.comで下記のとおり報じられていました。

「300日問題」一部救済、胎児測り妊娠時期を特定

2007年05月08日06時00分

 「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子」と推定する民法772条を巡り、法務省は7日、妊娠した時期は離婚後と医師が証明できれば、300日以内に生まれた子でも裁判や調停なしに「現夫の子」として戸籍窓口で届けられるようにする民事局長通達を出した。超音波で胎児の頭から尻までの長さを測って妊娠した時期を特定する。21日から窓口で届け出を受け付ける。

 300日以内に生まれた子は年間3000人とされ、この通達で救済できるのはそのうち1割程度という。与党は議員立法案で救済できる範囲を広げようと検討しているが、法務省は「この対応で不十分とは思っていない」としている。

 通達では、出生届を市町村の戸籍窓口に提出する際、医師が作成した「懐胎時期に関する証明書」の添付を求めている。医師は妊娠8週から11週と6日の段階で、胎児の頭から尻までの長さの「頭殿長(とうでんちょう)」を超音波で測ったうえ、「排卵した日と推定される日」を計算して妊娠した時期を特定。前後それぞれ約14日の幅を持たせて「○月×日から△月□日まで」と証明書に記載する。

 他の算出方法をとることもできるが、医師の診断が遅れると算出できなくなる可能性があるという。

 専門家によると、頭殿長の計測に基づく方法での誤差は約1週間におさまるという。

 明治時代にできた民法の規定では、前提となる妊娠期間は約300日だが、平均的な妊娠期間は250〜290日程度。前夫と法的に離婚してすぐに妊娠した場合や早産の場合に規定にかかりやすく、離婚の増加や医療技術の進歩でこうした例が増えているという。

なるほど、科学が診断法が非科学的な法を補佐する形だが、人間の問題はなかなか杓子定規にはいかないようだ。記事は、次のように続く。

 今回の通達は、別居などで事実上の離婚はしているものの、裁判が長期化したり、夫の家庭内暴力などの問題で法的離婚ができなかったりする人たちにとっては救済策にならない。このため、与党のプロジェクトチームでは、DNA鑑定などでこれらのケースを救済する特例新法を検討していたが、「不倫の子を認めることになる」などの反対論が噴出し頓挫。現在、特定の事情がある場合のみ離婚前の妊娠でも現夫の子と認めたり、裁判手続きを迅速化したりする新たな立法案を検討しているが、国会提出の時期などの見通しは立っていない。

かつて知り合いの女性が、まさにこの規定に引っかかった。法的に離婚し、再婚禁止期間が経過する以前に生まれた子どもが新しい恋人の子どもであることを家裁で申し立てたのだが、プライバシーを根ほり葉ほり聞かれたあげく、なかなか“事実”を認めてくれなかったそうだ。元夫も含め、当事者の誰一人その“事実”を否定していないのに……と彼女が憤慨していたのを思い出す。