リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

新出生前診断指針案 妊婦の「知る権利」に課題

上記タイトルによる讀賣新聞「ヨミドクター」の本日付掲載記事です。

 妊婦の血液でダウン症など3種類の胎児の染色体異常がわかる新型出生前診断について、日本産科婦人科学会(日産婦)が指針案を公表した。施設を限定し慎重な実施を求めたが、妊婦への情報提供など議論もありそうだ。

 指針案は、新型の出生前診断が安易に実施されることは、障害者の命の否定につながりかねないとして懸念を表明。実施できるのは、遺伝カウンセリング体制の整った施設に限るとした。

新型出世以前診断の存在を知らせるかどうかについては・・・

 指針案で議論を呼びそうなのが、新型出生前診断について、「医師が妊婦に積極的に知らせる必要はない」とした点だ。

 国の厚生科学審議会専門委員会が1999年、ダウン症などの確率がわかる「母体血清マーカー」について慎重実施を求めた見解に沿うものだが、日産婦は2011年の指針で、検査が普及した欧米の現状などを踏まえ、「適切な情報提供が求められる」と、考え方を事実上修正している。

 今回の新型診断の指針案は国の見解に沿い、「知らせる必要はない」とした点について、斎藤有紀子・北里大准教授(生命倫理学)は「非確定的な検査であり適切だ」と評価。「ただし、妊婦の知る権利を保障するため、説明を求められた場合は、十分に配慮するなどの文言も必要だ」と語る。

 これに対し、検査導入を検討している医療機関の産科医は、「検査を受けるかどうかを選ぶのは本人。今も妊婦はきちっとした情報が不足している。十分な遺伝カウンセリングが前提であり『知らせない』のはおかしいのではないか」と、首をかしげる。従来の出生前診断はそのままで、新型にだけ厳しい条件を付けることへの疑問の声もある。

だけど,これだけマスコミが騒いでは,いずれにしてもほとんどの妊婦がこの検査の存在を知ってしまってるのではないかと思いますが。