リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

中絶薬ミフェプリストン+ミソプロストルを導入すべき

WHOのSafe Abortion(2012, 2nd ed.)によれば、妊娠阻害薬(中絶薬)ミフェプリストン(RU486)は子宮収縮剤ミソプロストルと共に適量をタイミングよく用いることで、非常に安全に早期妊娠の中絶を可能にします。先日私が参加してきた第2回IWAC(女性の健康と危険な中絶に関する国際会議)でも、いわゆる「中絶薬」による中絶の安全性とより安全な使用方法に関する研究が日々進歩していることが示されました。

ミフェプリストン(RU486)とミソプロストル複合投与は、WHOの必須薬品リスト(Essential Medicines WHO Model List 16th ediction(updated))にも掲載されている安全で重要な処方ですが、医療の監視下で用いることが求められています。個人輸入でこの薬を手に入れ、あいまいな知識のまま「ヤミ堕胎」するのは安全性の面でリスクがあります。

なお、必須薬品リストの該当欄には、「国内法と文化が容認する場合」との但し書きがあり、これは主に「女性のリプロダクティブ・ライツ」に真っ向から反対するイスラム圏やバチカンへの配慮です。幸い、日本ではさほど中絶への反対意識は強くないというのが事実でしょうから、産婦人科医のもとでこの薬を安心して使用できるような医療制度と法を一刻も早く整備すべきだと思います。