リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

ん? 人口政策確立要綱??

本日付朝日新聞天声人語に「閣議決定されたその文書にはすごいことが書いてある」として,次がつづられている。

結婚年齢を今より3年早くする。子どもは平均5人とする。女性の就業は抑制する。独身者は税金を重くする。避妊,堕胎は禁止する――

すわ,少子化対策か? と,ぎょっとする内容だけど,これは1941年1月の「人口政策確立要綱」なのだそうだ。記事はこう続く。

もちろん今日,こんな決定は通るまい。とはいえ底を流れている発送はけっこう根強いのかもしれない

そして内閣府の「生命(いのち)と女性の手帳」(仮称)の話に続く。

内閣府が・・・配布を検討し,随分批判されている。妊娠や出産に関する正しい知識を「啓発」するのだおちう。要は若いうちに産んだ方がいいよ,と。
 知識はあるにこしたことはないが,少子化対策の文脈で出てきた話である。子どもが減ったのは女性だけの責任なのか,という議論になるのは当然だろう。・・・結婚や出産は一人一人の選択であり,多様な人生が等しく尊重されなければならない。

筆者は「特定の生き方や家族のあり方を国が促したり,押しつけたりする。それを余計なお世話という」とくくっているが,国民の権利を奪い,義務を強化するという憲法改正案が出ている昨今,私たちはもっと大声で反対を唱えなければならないんじゃないか。