臨床心理専攻の授業の一環として,今日,青年鑑別所の見学に行った。入所者の9割が男性だという。改めて法務省「矯正統計年報」の統計「年齢階級,男女別新受刑者数」を見たら,男性が女性の約15倍にも上る。
改めて,ジェンダーと犯罪のありようを考えてしまった。
いろいろ検索して見ていたら,ネットでこんな本を見つけた。
- 作者: ジェンダー法学会
- 出版社/メーカー: 日本加除出版
- 発売日: 2012/11/01
- メディア: 単行本
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この本の内容について,gender and lawを標榜するさかきばら法律事務所の「わがまま読書」コーナーに,下記のような紹介文も発見。
第II部は,刑事司法における女性の立場,ジェンダーバイアスを考察する。後藤弘子(第5章)は,女性犯罪の現状を前提とし,刑事司法がジェンダーバイアスを持つと指摘した上で,女性の再犯を防止するためには,ジェンダーの視点を持って刑事司法制度の運用さらには堕胎罪等の犯罪をも見直すべきと説く。しかし,現在女性犯罪に関する統計すら整備されていないということであり,改善には程遠いと嘆息せざるを得ない。日本は,「生き延びるために」薬物を使用する女性たちを犯罪者として扱う。しかし,諸外国では,刑罰ではなく,快復のために治療こそが必要であることは,常識であるという。
「生き延びるため」に薬物を使用というのは,薬を使った中絶を刑法堕胎罪で取り締まることを意味していると思う。刑罰ではなく治療を,そして予防へとつなげていくという発想の切り替えが必要だ。