リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

日本の中絶事情を海外に発信する

最近,やってる「お仕事」の一つは,海外の諸団体や個人に対する日本の中絶事情に関する情報提供です。英語で書いた論文を公開したことで,個人から某国際組織まで,様々なレベルでの問い合わせが来るようになったからです。もちろん,ボランティアです。

日本の産婦人科医師たちが昨年発表した調査報告で,日本の中絶はWHO(国連の世界保健機関)やCDC(アメリカの疾病予防センター)やRGOB(イギリスの産婦人科学会)の推奨する方法とは異なるけれども,それでも安全なのだ!(掻爬が多用されているが,世界の統計に比して合併症も死亡率も低い)と主張しているのに対し,世界の研究者は「回答者と回答しなかった人々が等質であるという証拠はどこにもない」と見ているようです。

つまり,事故を起こした人ほど調査に回答していない可能性を否定できないので,あの調査結果のみを見てすべて安全とは言えないわけです。

これを書いた後,いろいろ分析してみたところ,あの主張は,かなり無理があるということが,分かってきました。

あとで,どこかでまとめてご紹介しますが。

また,もし「掻爬が統計的に安全」なのだとしても,たとえ数は少なくとも,事故は未だに起きているのだから,事故発生ゼロを目指してより良い方法を取り入れていく必要はあると思います。