リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

中絶医師の資格停止 処置の患者が死亡 県医師会が6カ月処分

社会 神奈川新聞  2016年05月25日 02:00より

 県医師会は24日までに、妊娠中期の中絶を行うための入院体制が整っていなかったことや中絶の前処置をした患者が死亡する事例が発生したことなどを理由に、横浜市戸塚区内の産婦人科医院の前院長(51)ら2人に対し、人工妊娠中絶を行える母体保護法指定医師の資格を6カ月停止すると発表した。処分は25日付。

 これに対し、医師2人は23日、資格停止処分の取り消しなどを求める訴訟を横浜地裁に起こした。

 県医師会によると▽中期中絶(12~21週)を行う場合、通常入院が必要だが、そうした体制を取らず実施していた▽昨年11月、中絶処置中の女性患者が死亡し、異常死として警察に届けられた事例があった-など4点を理由に、資格停止を決定。両医師に20日、処分を送付したという。同資格の停止処分は同医師会では初めてという。

 同医師会は「これまで同院の体制を憂慮していた中で死亡事例が発生した。法に従い母体の安全、生命を守ることから考えると残念で、真摯(しんし)に受け止めている」と話した。

 一方、両医師側は処分理由に対して「入院や分娩(ぶんべん)の体制は取れていた。夜間対応も可能な体制がある」「(死亡事例は)診療行為と患者死亡の因果関係は明らかでない。死亡症例が発生したことのみをもって処分理由とすることは違法」などと反論している。

 関係者によると、昨年11月に死亡したのは妊娠21週の当時17歳の少女。同院で中絶手術前の子宮口を広げる処置を受けた後、自宅で容体が急変し、緊急搬送先の病院で死亡したという。