リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

子宮頸がん検診であった嫌なこと

なんであんな「アンケート」に答えなくちゃならないの?

子宮頸がん検診自体は、いいんです。検査キットが広まったおかげか、そんなに痛くもなかったし、先生もさばさばしていて看護師さんもていねいで恥ずかしさも全くない。

問題は、事前の「問診票」と言われて書かされた「アンケート」。

内容がそもそも変だった。まず引っかかったのは「婦人科手術を経験しているか」の欄。子宮頸がんと中絶経験って何か関係あったっけ? と、一瞬、疑問に思い、周りに他科を受診する男性もいっぱいいるロビーだったけど、看護師さんを呼び止めて、さすがの私も最初は小声で「これって中絶も入るんですか?」と質問した。そんな質問をする人が普通はいないからかもしれないけど、「はあ?」って理解してもらえない。仕方なく2回、3回と少しずつ声を大きくしていき、「だから中絶手術も入るんですか!?」とはっきり言ったら、「ああ」とようやくうなずいて、「入りますね」とおもむろにペンを取り上げさっとチェックを入れられた。うっ、なんか、一瞬、傷を負わされた気分。

続いて、「過去の妊娠回数」の直後に、「過去の出産回数」を問うている。あのぉ……残りは中絶か流産か死産になるんですけど、ここでわざわざ思い出させる必要ありますか? 思い出したら辛くなる人もいるよ、これ。

さらに、最初の方で「閉経」の欄にチェックしているのに、後になってから「現在の月経」が正常か不順かとか、どれくらいの周期だとか、最終月経はいつだったかとかいった項目が出てくるのは、おかしくありません? 絶対に何も考えずにただ質問項目を並べてみました~~~って感じです。最近閉経したばかりで、まだ複雑な思いを抱えている人だったりしたら、こんなこと聞かれたら落ち込むよ……と思った。

ひどいなぁ~、女性の気持ちを何だと思っているんだろう……こんなの検査に本当に必要なのかなぁなどと思い、「どうしてこんなプライベートなこと聞くんですか?」と看護師さんに聞いたら、「あ、それ、医師会の依頼で集めているんです」はあ? 医師会がいったい何の統計を取っているというの? 聞いたことないし、こんな配慮のないアンケート用紙じゃ、どうせ何の真実も得られない…などと思ってぐずっていたら、「書きたくないならいいですよ」と、看護師さんは用紙を取り上げて去っていった……未記入のまま。

案の定、子宮頸がん検査を担当した医師から、未記入だった部分についての質問は受けなかった。結局、検査には不必要な情報だったのだ。問診票ではなく、「医師会に提出する」個人情報てんこもりのアンケート。いったい何だったのだろう?