リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

最近の中絶関連ニュース(国内+タイ)

岡山の元外科医による不同意堕胎、福岡の中絶薬をのませた不同意堕胎、タイの中絶一部合法化

以下、列挙します。中絶薬を用いた福岡の事件で、被害者が「薬を服用後体調を崩し」とくり返し報道されていますが、これは危険な薬だからではありません。自分が知らぬ間に流産が始まったのだから、当人にとって「変調」と感じられたのは当然です。

中絶薬はWHOのお墨つきの超安全な薬です。この薬について、ホームページで小冊子「より安全な中絶を求めて」を公開していますので、ぜひ参照してみてください。
より安全な中絶を求めて | RHRリテラシー研究所

以下は、関連ニュースです。

時事ドットコムニュース 社会
元外科医に懲役2年 知人女性を無断で堕胎―岡山地裁
2021年02月24日13時11分
 岡山済生会総合病院(岡山市北区)で昨年5月、妊娠していた20代の知人女性を無断で堕胎させ胎児を死亡させたとして、不同意堕胎致傷罪に問われた同病院の元外科医藤田俊彦被告(34)の判決が24日、岡山地裁であった。御山真理子裁判長は「医師としての信頼を裏切る行為であり、強い社会的非難に値する」として懲役2年(求刑懲役5年)を言い渡した。
女性の承諾なく堕胎 容疑で医師逮捕―岡山県警
 御山裁判長は「被害者の生命に対する危険性の高い行為」と指摘。被告が社会的制裁を受けていることなどを考慮しても責任は重いとした。
 公判で検察側は、藤田被告には当時別の交際相手がいたが、女性から妊娠の事実を伝えられ、中絶するよう求めたが拒否されたため犯行に及んだと主張。同被告は1月の初公判で起訴内容を認めていた。
 判決によると、藤田被告は昨年5月17日、女性に全身麻酔薬を投与。昏睡(こんすい)状態にさせた後、下腹部に無水エタノールを注射して胎児を死亡させ、女性にも急性薬物中毒などの傷害を負わせた。
 同病院は昨年9月に藤田被告を懲戒解雇している。

山陽新聞 さんデジ
不同意堕胎 元医師に懲役2年判決 岡山地裁「立場を悪用」
 岡山済生会総合病院(岡山市北区国体町)で昨年5月、妊娠していた20代の知人女性に無断で堕胎手術を行い、けがをさせたとして不同意堕胎致傷罪に問われた同病院の元医師、藤田俊彦被告(34)の判決公判が24日、岡山地裁で開かれ、御山真理子裁判長は懲役2年(求刑懲役5年)の判決を言い渡した。
 判決理由で御山裁判長は、被告は女性から妊娠を告げられた後、中絶を求めたが拒否されたことから犯行を決意したとし「(別にいた)婚約者との関係や職場での立場を守るためという動機や経緯に酌むべき事情はない」と指摘。その上で「あらかじめ手術に必要な道具や薬剤を用意するなどしており、生命を尊重すべき医師としての立場を悪用した」と非難した。
 被告は今年1月の初公判で起訴内容を認め、弁護側は示談が成立しているなどとして、執行猶予付きの判決を求めていた。
 判決によると、被告は昨年5月17日、女性に鎮痛薬などを投与して意識を失わせ、下腹部に無水エタノールを注射して胎児を死亡させた。女性は腹部に傷を負うなどした。胎児は2人の子どもであることがDNA型鑑定で明らかになっている。
 被告は昨年8月に逮捕、起訴され、9月に同病院から懲戒解雇処分を受けた。
(2021年02月24日 12時18分 更新)

交際女性の同意得ず堕胎、元外科医に懲役2年 岡山地裁判決
毎日新聞 2021/2/24 11:33(最終更新 2/24 17:42)
 妊娠していた交際相手の20代女性の承諾を得ずに堕胎させたなどとして、不同意堕胎致傷罪に問われた岡山済生会総合病院の元外科医、藤田俊彦被告(34)の判決が24日、岡山地裁であった。当時、別にいた婚約者と結婚する直前に女性から妊娠を告げられ、中絶するよう求めたが拒まれた経緯がある。御山真理子裁判長は「身勝手かつ自己中心的で酌むべき事情はない」と述べ、懲役2年(求刑・懲役5年)の実刑判決を言い渡した。
 判決によると、被告は2020年5月17日、岡山市内の勤務先の病院で、妊娠約9週の女性を全身麻酔薬などで昏睡(こんすい)状態にした。その上で、同意を得ないまま無水エタノールを下腹部に注射して胎児を死亡させ、女性にも急性薬物中毒などの傷害を負わせた。
 被告は妊娠した女性から、認知や養育費を求められたため中絶するよう懇願した。御山裁判長は「出産すれば女性との関係が一生続くことを恐れ、婚約者との将来を優先して犯行に及んだ」と批判。「エコーで胎児の様子を見たい」と女性を誘い出し、抵抗できない状態にして堕胎させており、「女性の人格を踏みにじるものだ」と述べた。
 被告は起訴後の20年9月に懲戒解雇された。被害弁償として800万円を支払って女性と示談するなど反省の意を示したが、御山裁判長は「弁償をさほど重視する必要はない」とし、実刑判決とした。【松室花実】

無断で堕胎手術 元外科医に懲役2年 「医師としての立場を悪用した」
https://www.youtube.com/watch?v=cOPensvlHFU

#日テレ #newsevery #最新ニュース
“流産”目的か? 性病の薬と偽り…18歳女性に“未承認”中絶薬(2021年2月24日放送「news every.」より)https://www.youtube.com/watch?v=9OWMGw64ufg

朝日新聞デジタル>記事
交際相手に無断で堕胎手術 元医師に懲役2年の実刑判決
中村建太 
2021年2月25日 9時24分
 自身の子を妊娠した20代女性に無断で堕胎手術をしたとして、不同意堕胎致傷罪に問われた岡山済生会総合病院の元外科医、藤田俊彦被告(34)=懲戒解雇=に対し、岡山地裁は24日、懲役2年(求刑懲役5年)の実刑判決を言い渡した。
 判決によると、藤田被告は別にいた婚約者らに女性の妊娠が発覚することを恐れ、女性に堕胎を求めたが断られた。そこで「エコーで胎児の様子を確認したい」と病院に誘い出し、昨年5月17日、麻酔薬などを投与。意識を失わせて注射針で腹部を負傷させ、さらに子宮内に高濃度のエタノールを注入して妊娠2カ月の胎児を堕胎させた。
 判決で御山真理子裁判長は「身勝手かつ自己中心的でくむべき点はない」「医師としての立場を悪用しており、強い社会的非難に値する」と指摘。一方、執行猶予を求めた弁護側の主張に対し「女性と示談が成立していることや、懲戒解雇されたことなどを考慮しても執行猶予すべき事案ではない」と退けた。
 藤田被告は罪状を認め、被告人質問では「子どもを認知してほしいと言われ、関係性を持ち続けるのが恐怖だった」と話していた。(中村建太)

「結婚したくなく」少女に中絶薬 流産させた男を送検
テレビ西日本
2021年2月24日 水曜 午後6:36
 男は、警察の調べに対し、「結婚したくなかったから飲ませた」と供述している。
 24日に送検された、福岡市西区の会社員・三前尋容疑者(21)は、2020年9月、妊娠していた交際中の18歳の女性に、「性感染症の薬」と偽って、中絶の薬を飲ませ、流産させようとした、不同意堕胎未遂の疑いが持たれている。
 中絶の薬を飲んだ女性は、体調を崩し、服用を中止したが、その後流産した。

テレビ西日本
2021/02/24 16:10
 「結婚したくなかった」 性感染症と偽り… 交際相手に“中絶薬” 21歳男を送検 福岡市
 妊娠していた交際相手の女性にうそをついて中絶のための薬を飲ませた事件で、逮捕された福岡市の男が、24日に検察庁に送られました。
 ◆記者
 「午前9時半過ぎです。男が署から出てきて、これから警察車両に乗り込みます」
 送検されたのは福岡市西区の会社員、三前尋容疑者(21)です。
 三前容疑者は2020年9月、妊娠していた交際中の18歳の女性に「性感染症の薬」と偽って中絶の薬を飲ませ流産させようとした、不同意堕胎未遂の疑いが持たれています。
 三前容疑者は自らが性感染症にかかったためと説明し、薬を飲んだ女性は体調を崩し服用を中止しましたが、その後流産しました。
 中絶の薬は国内では未承認のものでしたが、三前容疑者は警察の調べに対し「ネットを通じて購入した。結婚したくなかったから飲ませた」と供述しています。

アジア経済ニュース
妊娠初期の人工中絶可能に、改正刑法が発効
2021/02/09(火)
 妊娠初期の人工中絶可能に、改正刑法が発効
タイで人工妊娠中絶を容認する改正刑法が6日、官報で告示され、翌7日に発効した。原則的に禁止されていた中絶が、妊娠初期については認められることになった。ネーションなどが7日報じた。
 中絶を罰する刑法301条が改正され、12週を超えて中絶をした場合が違法となり、罰則は母親に最高で禁錮6カ月か罰金1万バーツ(約3万5,200円)、またはその両方が科される。現行法では中絶は原則禁止されており、違反した場合は母親に最高で禁錮3年か罰金6万バーツ、またはその両方が科される。
 刑法305条も改正され、◇母親にとって身体的、精神的に妊娠が危険な場合◇胎児が身体的、精神的な障害を持つリスクが高い場合◇暴行により妊娠した場合◇中絶以外の方法がないと母親が確信している場合──の中絶は罪を問われないことになった。12週を超え、20週以下の場合の中絶は、医師、保健省が認定した医療専門家の判断によって認められる。