リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

薬による中絶のファクトシート

世界ではこれが常識……日本の産婦人科医が知らないこと

私の訳したアジア・セーフ・アボーション・パートナーシップ(ASAP)の情報ブックレット「薬による中絶のファクトシート」日本語版が公開されました。

中絶薬(ミフェプリストン)は日本では未承認だから使えない……と考える方が多いと思いますが、実は日本にすでに入っているミソプロストール(サイトテック)も中絶薬です。ミソプロストールを単独でのむプロトコルがすでに開発されており、このファクトシートではその方法も紹介しています。

できる限り、ミフェプリストンとミソプロストールを組み合わせてのむほうがより確実であり、妊娠初期なら非常に高率(95~99%)で妊娠を終わらせることができます。でも、次善の策としてミソプロストール単独でのむ方法があり、これを用いることで85%の妊娠を終わらせることができます。また、ミフェプリストンに比べてミソプロストールは非常に安価であるため、貧しい国々の医療提供者たちは、まずミソプロストールで中絶を試み、失敗した時にだけ外科的手法(吸引)で処置をすればよいと考えるのです。

中絶と流産の後処理はまったく同じ処置をします。海外では外科的手法の他に、ミソプロストールを服用する方法も使われています。ところが、日本では国内にミソプロストールがすでにあるというのに、日本の産婦人科医師たちは流産の後処置であっても外科的手法しか使っていません。

日本ではミソプロストールは潰瘍の治療薬としてのみ承認されているためです。

日本だけ本当におかしなことになっていることを多くの人に知ってほしいと思っています。

asap-asia.org