リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

WHO 中絶ケア・ガイドライン

レトロゾール( Letrozole)について

Abortion care guideline

p.68から仮訳します。

勧告27c(レトロゾール+ミソプロストールの併用療法)の根拠
 ミフェプリストンやミソプロストールを用いた標準的な薬による中絶の代替法の効果、安全性、受容性を系統的レビューで評価した。文献検索により7件の研究が同定され、そのすべてが薬による中絶におけるレトロゾールとミソプロストールの併用(介入)とミソプロストール単独(比較)について報告している。レトロゾールとミソプロストールの併用とミフェプリストンとミソプロストールの併用を比較した研究は見つからなかった。研究の設定には、中国、エジプト、イラン・イスラム共和国が含まれている。エビデンスの要約は補足資料2、中絶のための新しい医学的方法のEtDフレームワークに記載されている。
 全体として、エビデンスは介入を支持している。レトロゾールをミソプロストールと併用することで、低~非常に低いエビデンスに基づき、妊娠継続率が低く、中絶の成功率が高いことが示された。さらに、中程度のエビデンスに基づき、副作用を経験する女性がより少なかった。


 費用対効果、公平性、実現可能性、受容性に関する議論は、この介入に有利に働いた。レトロゾールは不妊症やがん治療によく使われるため、世界のある地域ではミフェプリストンよりも容易に入手できる。さらに、レトロゾールの価格が低いことも、薬による中絶の代替法として利用される要因となっている。