リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

MVA(手動吸引器)について

忘備録

Manual Vacuum Aspiration

PubMed検索によると、明らかに現在の形のMVAについて安全性と有用性が報告されたのは、1980年代のアフリカのナイジェリア等で行われたMVAに関して1990年に報告された論文が最初のもの。
Uterine aspiration using the Karman cannula and syringeC C Ekwempu PMID: 12179281

それから30年以上使いつづけられている。

以下によれば、カーマン・カニューレは単回使用で捨てることになっている。
Validation of instrument reprocessing methods for the Ipas manual vacuum aspiration devices
しかし、吸引器そのものも単回使用(使い捨て、ディスポ)だとは書いていない。むしろ:

IpasのMVA機器は、規制が許す限り再利用できるように設計されています。米国やその他の高資源国ではカニューレは単回使用のラベルが貼られていますが,適切に再処理すれば,世界の多くの環境でカニューレの複数回使用が認められています。

Ipasのシングルバルブ(SV)アスピレーターも適切な再処理を行えば再使用可能である。しかし,耐熱性プラスチックではないため,煮沸消毒やオートクレーブ滅菌はできず,化学薬品の浸漬による再処理が必要となる。現在では限られた市場でしか入手できない旧式のIpasダブルバルブ・アスピレーターやカーマン・カニューレは、どこでも単回使用の機器であり、使用後は廃棄しなければならない(図4)。

ところが、ある信頼できる情報筋によれば日本政府は、「単回使用のMVA機器」しか認めていないのだという。

ここでもまた単価を釣り上げる操作が行われているのではないか?