リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

中絶に関する最近の国連の動向

リプロダクティブ・ヘルス&ライツの推進

2012年 国連人権理事会はすべての国家を対象に、「予防可能な母体死及び障害を地方、国内、地域、国際レベルで撲滅し、人権に対する国家の義務を全面的かつ有効に遂行していくこと、性と生殖に関わる健康と権利(SRHR)に関連するコミットメントを初め、北京宣言及び行動綱領、ICPD行動計画やそのレビュー・プロセス、ならびにミレニアム宣言やMDGsの目標……を達成するための努力を倍加していく」ことを決議(A/HRC/RES/21/6)。

2015年 SDGs(持続可能な開発目標)
目標3.7「二〇三〇年までに、家族計画、情報・教育及び性と生殖に関する健康の国家戦略・計画への組み入れを含む、性と生殖に関する保健サービスを全ての人々が利用できるようにする」
5.6「国際人口・開発会議(ICPD)の行動計画及び北京行動綱領、ならびにこれらの検証会議の成果文書に従い、性と生殖に関する健康及び権利への普遍的アクセスを確保する」ことを明記。

2016年 女性差別撤廃委員会最終見解:女性差別撤廃条約 女性と健康に関する一般勧告第 24 号(1999)と「北京宣言及び行動綱領」(1995)に沿い、日本はすべての場合の中絶を処罰の対象から外すこと、配偶者同意要件を廃止すること、胎児の深刻な機能障害の場合は妊婦の自由意思と情報に基づいた同意を確実に得ることを勧告。

2016年 社会権規約一般的意見22 社会権規約12条に則った「性と生殖に関する健康に対する権利」の一部として「女性と少女に安全な中絶を保障すべきであること」を明記。これは「達成可能な最高水準の健康への権利」を謳った2000年の一般的意見14をより明確化したもの。

2019年 国連自由権規約第6条(生命権)に関する一般的意見36「女性と少女の安全で合法的な中絶への障壁を撤廃し、性と生殖の健康に関するエビデンスに基づく情報と教育および手頃な価格の幅広い避妊方法を確保すること」を明記。