リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

テキサス「中絶禁止法」存続 米最高裁、政府の差し止め請求棄却

毎日新聞 2021/12/11 13:14

 米連邦最高裁は10日、胎児の心拍が確認された後(妊娠約6週以降)の人工妊娠中絶を原則禁止する南部テキサス州の州法に関して、施行差し止めを求めた司法省の請求を棄却した。バイデン政権は同州法に関して「女性の中絶の権利を認めた憲法判断に違反する」と訴えているが、最高裁は合憲性に関する判断は示さず、全米で最も厳しい中絶規制が継続することになった。

 最高裁は、中絶容認派団体が州当局者を訴えた別の訴訟についても、連邦地裁への審理差し戻しを命じた。バイデン大統領は10日、「女性や法の支配に重大な結果を与えるとの観点から、最高裁が州法の継続を容認したことを非常に懸念している」との声明を出した。


 最高裁判例では、胎児が母体外で生存可能になる(妊娠22~24週ごろ)までの中絶は認められ、各州が州法で禁止することは違憲だとしている。司法省や中絶容認派は「テキサス州法は違憲だ」として施行差し止めを求める訴えを相次いで起こしたが、最高裁は今年9月に州法が施行された際も、合憲性の判断を棚上げしたまま施行を容認していた。


 最高裁が合憲性を巡る判断を先延ばしする背景には二つの事情がある。一つは州法が定める罰則だ。各州の中絶反対派が従来策定した規制法は、警察など州当局が「違法中絶」を取り締まる体系になっており、裁判所が「州による取り締まりは違憲だ」と判断してきた経緯がある。しかし、テキサス州法は誰でも「違法中絶」に関わった人に民事で賠償請求できると定めている。不特定の人による民事の提訴まで「違憲だ」として差し止められるかどうかという点が、最高裁の判断を難しくしている。


 一方、最高裁が別の訴訟で、中絶に関する判例を変更するかどうか岐路に立っているという事情もある。南部ミシシッピ州が妊娠15週以降の中絶を禁止した州法を巡って、最高裁は今月1日に弁論を開いており、来年夏までに判決を出す見通しだ。中絶に反対する保守派の判事が多数派を占めており、従来の判断が覆る可能性が指摘されている。国論を二分する注目の判決を控えて、最高裁憲法判断を避けている可能性もある。【ワシントン秋山信一】

他にも
米の中絶禁止州法、裁判継続へ|【西日本新聞me】
米最高裁がテキサス中絶制限法の効力容認 合憲性踏み込まず - 産経ニュース
米の中絶禁止州法、裁判継続へ 連邦最高裁、提訴認める:東京新聞 TOKYO Web
CNN.co.jp : 米最高裁、テキサス州中絶禁止法の存続容認 中絶提供者は提訴可能

以下は審理が始まった時のニュース

www3.nhk.or.jp

www.asahi.com

以下はさらに切り口がちょっと違いますが。
globe.asahi.com