刑法堕胎罪 母体保護法 どちらも対象は「胎児」
中絶薬を服用した結果どうなるか:
妊娠9週までなら、どちらが正確なのかは言うまでもない。
だがそうなると、ごく早期の中絶薬による中絶は堕胎罪に当たらないかもしれない🤔
堕胎罪とは次のように定義されてきた
本罪の客体は「胎児」である。「胎児」とは着床し懐胎されているヒトを指す。(林幹人 『刑法各論』(第2版) 東京大学出版会、1999年。)
受精卵が着床するのは妊娠4週だと言われている。だが、それが「胎児」と呼ばれるようになるまでにはまだまだ週数を要する。
海外ではembryo(胚)とfetus(胎児)は区別されている。RCOG(英王立産科婦人科協会)では、embryoをfirtilized egg(受精卵)、fetusをunborn baby(未生の赤ん坊)としている。
以下のサイトでは、呼び方が変わるのは妊娠11週に入った時だとしている。
An embryo is termed a fetus beginning in the 11th week of pregnancy, which is the 9th week of development after fertilization of the egg.
Embryo vs. Fetus: The Stages of Pregnancy
以下のサイトでは、10週が終わると変わるとしている(つまり上記と一緒になる)。
Generally, it's called an embryo from conception until the eighth week of development. After the eighth week, it's called a fetus until it’s born.
Fetal development: Month-By-Month Stages of Pregnancy
日本人の医師は妊娠8週から胎児、10週から胎児といった見解も見られ、完全にembryoである時期にも「胎児臓器の形成」などと表現している例もあり、どうやらembryoとfetusを峻別する習慣がなかった/厳密な区別が行われてこなかったように思われる。
中絶薬が入ってくることで、今後は議論を整理していく必要に迫られるのではないか。
場合によっては、ごく早期の中絶薬を用いた中絶は「堕胎罪」の対象ではないことになるかもしれない。