リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

中絶が厳禁されている国々

法的にすべての中絶禁止されているのは5か国のみ

国境なき助産師まりなさんから教えてもらった情報です。

今も法的に中絶が厳禁である国は次の5か国。
ニカラグア(Nicaragua)
ホンジュラス(Honduras)
エルサルバドル(El Salvadre)
マルタ(Malta
バチカン(Vatican)


ところがWikipediaの”Women in Vatican City”に次の一文が見つかりました。

Vatican City is one of six countries worldwide where abortion is illegal (the others being Malta, Madagascar, Dominican Republic, El Salvador, and Nicaragua), as the state adheres to the Canon Law of the Roman Catholic Church.

これによると、マダガスカル(Madagascar)とドミニカ共和国(Dominican Republic)も、カトリック教会のカノン法(1398)に基づいて中絶が禁止されていることになる。なんと14世紀の法! びっくりですね。

ホンジュラスは別の理由なのだろうか?
Honduras hardened its abortion ban. These women remain undeterredという記事を見つけた。最初の方を仮訳します。

ホンジュラス議会が妊娠中絶の絶対禁止を打ち出して以来、保守的なホンジュラスで妊娠中絶の非合法化を求めて活動してきたフェミニスト団体のメンバーが増えてきた。

女性の権利を擁護する団体「Somos Muchas(「私たちは大勢いる」の意)」に新たに加わったのは、ほとんどが18歳から30歳までの若い女性で、最近の出来事に心を動かされて行動を起こしています。現地の活動家たちにとっては、世界で最も厳しい中絶規制を持つこの国にも変革の可能性があることを示している。


ソモス・ムチャスの活動家であるニーサ・メディナは、禁止を強化しようとする議員たちについて、「彼らは恐れてやったのです」と言います。「未来を禁止できると考えているからです。でも、未来を禁止することはできません」。


ホンジュラスでは、1985年以降、レイプや近親相姦、母体の生命に危険がある場合など、いかなる状況でも妊娠を終了させることが禁じられています。

マダガスカルはアフリカの東側にある島国。

ドミニカ共和国カリブ海に浮かぶ島国(ハイチと国境を接している)。

あとのニカラグアホンジュラスエルサルバドルは中米。

マルタ、バチカンはイタリアの近く(というか、バチカン市国はイタリアのローマの中)。

つまるところ、これらの国々はすべてカトリックの宗教的理由で(多くが14世紀のカノン法に従って)中絶を禁止していることになる。ムスリムは入っていないのですね。なるほど。