リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

アメリカでは中絶に4、5万円は「高すぎる」

Shefali Luthra, Health Reporter, Published on April 4, 2022

Abortion pills are growing more expensive and difficult to provide

冒頭だけ試訳してみます。

最も一般的な中絶方法は、州ごとの新たな規制によって提供することが難しくなり、費用がかさんでいることもあって、大幅に高価になっているようである。


Journal of Health Affairsに月曜日掲載された研究によると、薬による中絶の平均価格(昨年は全中絶の大部分を占ていた)は、2017年の495ドルから2020年には560ドルに上昇しました。著者らは、この傾向は2022年まで続いていると予想している。同時に、クリニックは、その負担を軽減するのに役立つ健康保険を受け入れる可能性が低くなってきている。


コスト増は深刻である。著者は、2020年には、米国人の4人に1人が緊急医療費のための貯蓄を400ドル持っていないとFRBが推定していることを指摘している。

若者は緊急医療費400ドル(日本円で45000円程度)を払えない……ということが、アメリカでは問題になっているのに、日本では中絶手術は「安くとも10万円」などとしらっと言われている。日本の若者が特別に金持ちであるわけはない。日本はずっと中絶が減少傾向だと言われているが、お金がないために、あるいは中絶のスティグマが強まっているために「必要としている安全な中絶に到達できない人」が増えているのではないかと危ぶまれる。その結果、強制的に望まない出産に至り、その一部は児童虐待に陥っているのではないか。