リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

池田真紀議員 ジャスティス・フォー・ウィシュマ発言

第204回国会 衆議院 法務委員会 第20号 令和3年5月12日

026 池田真紀
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○池田(真)委員 立憲民主党池田真紀です。よろしくお願いいたします。
 今、ビデオ開示の話がありましたが、それ以外にも記録がまだ出てきていないものがたくさんあります。それで、記録については、看守記録については閲覧をさせていただきました。その閲覧も、手書きということで、極めて時間限定、与党の皆さん、理事をお待たせした中での時間だったので、私も全部メモることができない、そんな状況の中で事実確認、中間報告との突き合わせをしたわけであります。
 そこの中で、本来であれば、質疑の時間がちゃんと確保できていれば、事実確認を行って、一つ一つ丁寧に問題点を提起したいというふうに思っておりましたが、今日のような短い時間でございますので、今日のところは、その中で、あえて外したんではなかろうかと思うようなことがありました。
 それで、本来は今日は、支援者側の聞き取ったメモといったものもありまして、それを資料に、与党の皆さんにも御覧いただきたいと思って配付をしたいと思ったところ、これは却下ということでございましたので、非常に残念でございますが、しかし、中間報告と看護記録とだけの突合の中でも極めて不自然な点もございましたので、この点は指摘をさせていただきたいと思います。
 そして、質問させていただきますが、第三者といいますが、この第三者なんですけれども、名前も公表されないという中でやっています。五名ということでありますけれども、大臣、男女比、お答えください。
027 義家弘介
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○義家委員長 速記を止めてください。
    〔速記中止〕
028 義家弘介
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○義家委員長 速記を起こしてください。
 上川法務大臣
029 上川陽子
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○上川国務大臣 五名の方の男女比の構成でございますが、男性が三名、そして女性が二名でございます。
030 池田真紀
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○池田(真)委員 この男女比についても、昨日のレクでは、答えられないというような職員の回答があったので、これはそんなはずじゃないんじゃないのということで調べていただいて、今日、先ほど聞いた人数でした。
 大臣、すぐ即答できなかったということは、第三者を入れる際に配慮をしてほしい、女性に配慮してほしいというようなことを指示しなかったということでよろしいでしょうか。
031 上川陽子
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○上川国務大臣 専門的な観点から、第三者を含めるに当たりましては、その方自身のこれまでの様々なキャパシティーというか、専門性も含めまして選んだということでございます。
 女性を、通常ならば男女共同参画という形の中で、法制審議会等も含めまして、女性のということは含まれているところでございますので、こういった点については特に、今回の事案、女性の事案ということもございまして、入れるようにということは指示したところでございます。
032 池田真紀
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○池田(真)委員 この男女比については、看守とか、名古屋の関係で具体的には答えられないということであれば、一般的にどうなんですかということであっても、入国警備官等の男女比についても昨日まで答えられていない、そんな状況でありました。
 こういう中で、DVの資料、どう対応すべきかということについては今日配付資料につけてあって、そもそもどうすべきかということは、四月の二十日のときの質疑にも私の方でも質疑をさせていただいておりますので、ここは繰り返しませんけれども、本来であれば、DVの対応をして、収容しなくて、まずは保護すべき人だったという認識、大臣はございませんか。
033 上川陽子
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○上川国務大臣 まさに委員の御指摘そのものが調査の更なる深掘りの項目というふうに考えているところでございます。
 この間答弁をしてきたところでございますが、DVの被害を受けた方であるかどうか、この取扱いの要否がどうだったのか、このことも含めまして、今回の事案におきまして、入管当局の対応、この適否等につきましては、必要に応じまして追加的な事実確認も行った上で、第三者の方々にも御意見をいただきながら、事実関係に評価また検討を加えまして、でき得る限り速やかに最終結果を取りまとめてその中でお示しをする方針でございます。
034 池田真紀
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○池田(真)委員 そうしましたら、まず、今回の記録の中で、あえて中間報告にも入っていませんでした。私もソーシャルワーカーでもありますから、本当に亡くなられた方の名誉、プライバシーということを極めて慎重に扱う側であります。しかし、ここまで情報が隠蔽をされたり、ここまでゆがめられた報告書というものが出てきたりすれば、当然今回は言わざるを得ないと思って発言をさせていただきます。
 八月の二十三日に、十九日に逮捕されて、二十三日にすぐ看護記録が始まっています。しかし、そのときは、ナースという言葉ではないので、看護者ではない、看護師ではない。そして、その次、放置をされたまま、十二月の十八日まで放置をされています。いわゆるこの四か月間、三か月間の間にも変化がありますし、交番から、最初の看護記録で、訴えをしたときにDVケアをしっかりされていれば、ここまで不調を訴えなかった、犠牲にならなかったというふうにも思います。
 そして、十二月十八日には、このときには中絶の話がありました。おなかの中で異常がないか確かめたい。元恋人との間での中絶の経験をお話しされて、記録もされています。しかし、このときの薬剤といったものが、本国から送られてきたもので、錠剤と注入剤ということです。本来であれば、おなかの中の不調を、さらにそのときに十キロも体重が減っていますから、本当に心と体とケアをしなければいけない方だったんですよ。
 そのときに、それも、何と、この看護師の記録は、看護師にもなっていない看護記録には、SOAPのA、査定評価に、不法な人工中絶歴あり。不法という言葉を誰がつけたんですか。御本人の訴えとは全く違う、不法という言葉をつけているんです。とてもこれは憤りを感じています。
 このときにもう一回チャンスがあった。最初、そして八月、十二月とチャンスがあったんです。その視点も失われ、SOSも発見されず、そして、初めて看護師の記録としてナースの記録があったのが一月です。そこから、看護師日誌の中で時々ナースがある。ナース以外の記録は誰が書いたかも分からない。こんな状態なんです。
 そして、今日添付をさせていただいた、これがモニターを見た看守の記録ですね。こちらの記録になりますが、これは名古屋の入管の話ではありません、例として挙げています、これは実例ですから。最後の日の一日です。しかし、こういったものの中で、保安上の問題というものが、本当にこれは保安上のもので出せないものですか。そうじゃないと思います。
 死に至るまでのこと、死に至るまでの映像というふうに、先ほど来、大臣は三回、今日述べられています。しかし、死に至らした過程、そんな記録は本来あってはいけないんですよ。死に至らなくてもできたことがたくさんあったのに。最後の場面だけではありません、私が映像を求めているのは、具体的に日時を挙げています、もっともっと最初のSOSのところも当てています。
 そして、この今日添付をさせていただいた中から、保安上の問題というものは、皆さん、お感じになるかならないか、後で協議をしていただきたいと思います。
 大臣、最後に、全ての記録を出していただいて、隠蔽や改ざんや、先ほどのような、本来保護されるべき被害者が加害者かのような、犯罪者かのような言葉を書く、そういった調査員ですよ、そういった第三者評価、そういった調査報告が出て、信じられるわけがないんです。やり直していただきたい。大臣、最後に答弁を求めます。
035 上川陽子
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○上川国務大臣 今回、亡くなられた方の状況をどのようにしっかりと把握をするか、まず事実関係をしっかり把握した上で、そしてこの検証をしていくという形で、第三者の方に入っていただきまして、中間報告、さらに、最終報告に向けましても、先生方から御指摘をいただいたこと、また、今、先生はソーシャルワーカーのお立場ということで、大変きめ細かな御指摘を随所にしていただいているということでございまして、そういうことも含めまして、今回御指摘をいただいたこと、またこの委員会の中で御指摘いただいたことも含めて追加的な調査を加えながら、最終報告に向けまして、まず事実関係をしっかりと把握した上で提出をするべく、今、鋭意頑張っているところ、努力しているところでございます。
 事実関係そのものを御遺族の方にもしっかりと御説明するということも極めて大事だというふうに私自身は思っておりまして、そういう中で、今、第三者の方に入っていただいているところでございます。私自身は、公平、客観的な調査でなければいけないというふうに思っておりましたので、私自身がいろいろなコメントを申し上げるということについては私は厳に慎重であるべきである、こういう姿勢で臨ませていただいておりますが、様々なことにつきましてしっかりと踏まえた上で、最終報告に向けましてお出しをしてまいりたいというふうに思っております。
036 池田真紀
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○池田(真)委員 大臣の指示一つでできることだと思います。ジャスティス・フォー・ウィシュマ、よろしくお願いします。