リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

第208回国会 衆議院 外務委員会 第5号 令和4年3月16日

維新の議員による「経口中絶薬」批判

162 吉川ゆうみ
○吉川大臣政務官 お答え申し上げます。
 日本館の基本計画につきましては、本年二月、経済界、文化界等の有識者により構成される二〇二五年大阪・関西万博政府出展事業検討会議において案を策定したところでございます。これを受けまして、現在パブリックコメントで広く意見を募集しており、いただいた意見を踏まえて三月中をめどに取りまとめをする予定でございます。
 日本館は、「いのちと、いのちの、あいだに Between Lives」をテーマとし、日本文化や技術、日本的な発想を足がかりに、一人一人がほかの命とのつながりや循環の中で生かされている存在であり、地球という命の束の一部であるということに気づくことにより持続可能性の問題を自分たちのこととして認識し、未来に向けたアクションの必要性に気づく機会となることを目指しているところでございます。
 この日本館基本計画の内容を踏まえながら、多くの方に御来場いただける魅力的な日本館としていきたい、このように思っているところでございます。


163 和田有一朗
○和田(有)委員 今るるテーマについてお伺いいたしました。
 もちろん、今パブリックコメントをかけている段階ですから、この先いろいろな紆余曲折があるかも分かりません。その中でやはり私が非常に注目をしたのは、命という言葉を使われているということなんですね、命と命の間にと。要は、命のリレーであったり、我々がいただいている命は次につないでいくリレーのバトンみたいなものだというようなものだと思うんです。大変すばらしいテーマの設定だと私は思うんです。
 その中で、ちょっと気になる事柄がありまして、今、日本で生まれている出生数というのは、二〇二〇年で八十四万人。まあ、少子化だといろいろな議論を我々はやっているわけですけれども、八十四万人とか、八十万人ぐらいですよ。
 その中で、この世に出ずして終わっていく命が、届出されているものだけでも十五万ぐらい。要は、流れている、中絶をされている命というものが十五万ぐらいあると言われています。これは統計上表に出ているだけで、もっと多いだろうと言われています。中には、その倍ぐらいはあるんじゃないかとおっしゃる方もおられます。倍として三十万人。実際にこの世に生をうけて人生を全うできる胎児の三分の一や四分の一は、実は、本来この世に生をうけるべく受精しているのに生まれていない状況がありますと言う方がおられます。数字は、統計上は十五万ですけれども。
 研究者の方の中には、もう受精をした段階でこれは命として始まっている、要は、胎児として命が始まっているんだ、こう言う研究者の方もおられます。受精した段階からお母さんとのコミュニケーションが始まり、命を育み始めているんだ、これが人の出発点であるというふうに言われる方も研究者でおられるんですね。恐らくそうだと思います、私も。
 ところが、今、そういう中で、経口中絶薬というものの承認に向けて進んでいると伺っています。これは母体に対しても実は大変大きな影響があるということは余り知られていません。それから、この経口中絶薬というのは、実は、口から飲んで簡単にできるように思われますが、余り言葉は私は使いたくないですけれども、中絶というものが物理的に赤ちゃんを潰して殺してしまうということに対して、これは、やはり、受精した胎児を窒息死させてしまう、殺すんです。殺して出すという薬なんです。劇薬なんです、はっきり言えば。それを承認しようという方向に進んでいる。
 いろいろな考え方があります。もちろん、いろいろな方々の立場に立って、必要だという議論もある。しかし、私は、どうも、命を貴ぼうと言っている中で、安易に、自分の都合でもって胎児の命を殺してしまうという風潮、命を軽んじる風潮に拍車をかけることになるのではないか。
 もちろん、何度も言います、いろいろな方々がおられて、必要だという方もおられて物事はあるんですけれども、しかし、せっかくこの万博で命のことを取り上げ、そして命の貴さを喜び、そうしている中で、片や、この社会においてこういう状況が生まれているということ。すなわち、胎児の生命権を奪うような状況が、私の表現で言えば、私の表現ですよ、胎児の生命権を奪うような風潮を助長するような状況が起こっていることについて、私は合点がいかないところがあるんです。
 その点についていかがお考えになりますでしょうか。


164 島村大
○島村大臣政務官 まずは、声がかれているのは申し訳ございません。
 今委員から御質問ありましたように、まずは、経口中絶薬につきましては、御案内のとおり、昨年の十二月に薬事申請がなされ、現在、PMDAにおいて有効性、安全性の審査を行っております。
 人工妊娠中絶は、母性の生命健康を保護することを目的とした母体保護法に基づき、妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するもの等に限られて、この薬は承認されるものでございます。
 人工妊娠中絶の在り方については、委員御指摘のように、胎児の生命の尊重や女性の自己決定権等に関する様々な御意見が国民の間で存在し、また、個々、人々の倫理観、道徳観とも深く関係する難しい問題点でございます。
 いずれにせよ、人工中絶に限らず、予期せぬ妊娠に悩む女性への相談、支援も重要であると考えております。引き続き、支援を進めてまいりたいと思っております。
 以上です。


165 和田有一朗
○和田(有)委員 大変、花粉症でいらっしゃるんでしょうか、おつらい中での答弁、分かりました。
 自己決定権のことも触れていただいて、大いに議論があるんです。胎児の生命権というものは厳然としてこれはあるわけでありまして、それを、産む自由、産まない自由というような下で奪うことは、私はいかがなものかと思う。私が思うということは、そういう人もいて、議論になっているということを理解の上に、私はこの薬に関しては進めていただきたいと思います。
 もし、大臣、この点について何かお感じになることがあったら。ありませんでしょうか。


166 林芳正
○林国務大臣 所管外では必ずしもないかとは存じますが、留学時代でございます、プロライフとプロチョイスということで、たしかアメリカで判例も幾つか出ておって、また、このことが現在にもつながっておるかもしれませんが、たしかアメリカでは、共和党は主にプロライフ、そして民主党はプロチョイスということで激しい論争が行われていたということは承知をしておりますので、なかなかこれは一概に白黒というふうに決まらない、そういった問題であるというふうには承知をしております。


167 和田有一朗
○和田(有)委員 議論があるので、議論があるという前提で物事は考えていただき、その上で、万博が明るい万博になり、命を貴ぶ万博になって、地域経済が発展する、地域が前に進むという状況が生まれることを祈りまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

強調部分、かなりの思い込みと嘘が混じってますね。結局は「胎児の生命権はある」という信念(妄信?)に貫かれているわけで、要はプロライフ派だということで終わるのかもしれないけれども、以下の候補者アンケートで、少なくとも反ジェンダー、反選択的夫婦別姓等々の人だということは明白になった。

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