リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

JSOG:声明 : 米国最高裁の「ロー対ウェイド」判決を覆す判断に抗議する

声明 : 米国最高裁の「ロー対ウェイド」判決を覆す判断に抗議する|公益社団法人 日本産科婦人科学会
文面も貼り付けておく。

2022 年 7 月 6 日
声明 : 米国最高裁の「ロー対ウェイド」判決を覆す判断に抗議する

 2022 年 6 月 26 日、女性の人工妊娠中絶の権利を認めた 1973 年の「ロー対ウェイド」判決を覆す判断を、アメリカ合衆国連邦最高裁判所が下しました。アメリカでは女性が人工妊娠中絶を受ける権利およびその実施可能期間が州法で定められていますが、この度人工妊娠中絶を禁止する法律を合憲とする判決が下されたことにより、ケンタッキー、ルイジアナアーカンソーサウスダコタミズーリオクラホマアラバマの各州では、人工妊娠中絶ができなくなります。今後他の州でも中絶禁止法が成立するとみられており、経済力のある女性は州や国を越えて移動し、移動できない女性は人工妊娠中絶を受ける権利を奪われることになります。 
 妊娠・出産は時に母体の生命を危険にさらすものであり、女性が出産を望まない場合、人工妊娠中絶の禁止は女性が社会生活・健康や生命を失うことをも強制しかねないものです。すべての人が望むタイミングで望む数だけ子をもつことを保証する SRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ:性と生殖に関する健康と権利)は、基本的人権の一つです。希望するすべての女性が安全で質の高い人工妊娠中絶を受けることができることは SRHR の重要な一部であります。我々は女性の健康を守るプロフェッショナルとして、世界の全ての女性が自由意思で人工妊娠中絶を選択できることが保障されることを求め、米国における女性の人権侵害に断固反対します。


公益社団法人日本産科婦人科学会
理事長 木村 正
リプロダクティブ・ヘルス普及推進委員会
委員長 横山 良仁

「女性の健康を守るプロフェッショナルとして、世界の全ての女性が自由意思で人工妊娠中絶を選択できることが保障されることを求め、米国における(だけではなく日本における)女性の人権侵害に(も)断固反対」してほしいものだ。( )内は私の付けたし⇑