2022-08-27 朝日新聞書評 『日本の中絶』 塚原久美『日本の中絶』(ちくま新書・990円)は、6月に米最高裁でロー対ウェイド判決が覆され関心を集める中絶について、日本の現状を知るための一冊。日本では海外と比べ、避妊ピルが高額で、予定外の妊娠をしやすい。しかし、海外で普及する経口中絶薬はいまだ承認されず、中絶手術は高額で、罪の意識が根強いと指摘。日本の中絶が女性の人権より、女性差別的なイデオロギーによって構築されてきた経緯を紐解(ひもと)く。 ★塚原久美著 ちくま新書・990円=朝日新聞2022年8月27日掲載