リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

昔の女性と今の女性では月経回数が大幅に異なる

種部恭子委員の発言と資料

男女共同参画局 第2回女子差別撤廃委員会最終見解への対応に関するワーキング・グループ 平成31(2019)年1月15日
議題:女子差別撤廃委員会「日本の第7回及び第8回合同定期報告に関する最終見解」における指摘事項への対応状況等について


まずは種部医師の性教育を必要だとする発言について。
発言

(種部委員)最終見解のパラグラフ33(c)にある性教育について、学習指導要領では、妊娠の成立、出産、避妊、中絶は取り扱っていない。妊娠や避妊について知らない状況のまま、14歳以下で予期せぬ出産をする人は年間40件位、14歳以下で中絶をする人は年間200件位いる。この年齢での出産を防ぐのは国の責任と思う。現実との乖離が大きいので、今後の方向性は示していただきたい。


次は現代女性の月経回数が大幅に増えている問題について
資料
女性の活躍を推進し社会保障のニーズを減らすための包括的な女性の健康支援~女性活躍加速のための重点方針2018策定に向けて~ 種部恭子

種部恭子


生涯月経回数の急増についてはバイエル薬品の資料もある。(ピルを売るための資材であることは、割り引いて考えるべきだが)

バイエル 現代女性は月経回数が多すぎる

現代女性は月経回数が多すぎる




種部医師とバイエルのどちらも以下の論文に依拠しているようです。
Oral contraceptives and risk of endometriosis: a systematic review and meta-analysisPaolo Vercellini et al., Human Reproduction Update, Vol.17, No.2 pp. 159–170, 2011
Advanced Access publication on September 10, 2010 doi:10.1093/humupd/dmq042


しかしこの論文では、避妊ピルの使用が子宮内膜症を減らすとは言えないとの結論が出ています。その後の研究としては、以下の論文で「長期的な治療として行われるホルモン療法は、保存的手術後の子宮内膜腫の再発リスクを低減させる傾向がある」という結論を出しています。条件付きなわけですね。


対馬ルリ子医師も以下の記事でピルを勧めている。
かつてないほど月経回数が多い現代女性。自分の体を知って前向きに生きて!

「昔の女性が生涯で経験する月経の回数は約50回でしたが、現代女性はそれよりもはるかに多く、約450~500回と推測されています。実に9~10倍も多くなっているんですね。昔は14~15歳くらいで初経を迎えると、結婚をして子どもを5人10人と産むケースが多かったのです。妊娠・授乳中は月経が止まりますから、たくさん子どもを産んでいると月経の回数自体が少なくなるのです。一方、現代女性の場合は、初経年齢は早まったのに、結婚や初産年齢は遅くなって出産回数が大幅に減少。その結果、一生の月経の回数がこんなにも増えることになったわけです」


東洋経済ONLINEにも次の記事が見られます。
「現代女性の生理の回数「昔の5倍」という衝撃事実 排卵の回数が多いぶん、ダメージも大きくなる」細川 モモ : 予防医療コンサルタント、一般社団法人ラブテリ代表理事
著書も出ているようです。『生理で知っておくべきこと』(日経BP