リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

政策立案者への働きかけ 中絶ニュース

03.16.2022 Center Factsheet Outlines Recommendations of New WHO Abortion Guideline: Law and policy recommendations and core themes discussed


Center Factsheet Outlines Recommendations of New WHO Abortion Guideline | Center for Reproductive Rights

 アメリカのNGOセンター・フォー・リプロダクティブ・ライツが、2022年3月のWHOの”Abortion Care Guideline”のポイントをまとめました。
仮訳します。

WHOの新しい中絶ガイドラインの勧告を概説しているセンター・ファクトシート
法律や政策の勧告、中核的なテーマについて解説


 世界保健機関(WHO)は2022年3月9日、中絶ケアの臨床、サービス提供、法律、人権の側面に関する最新のエビデンスとデータをもとに、10年前に発表したガイドラインの勧告を更新し置き換える形で「中絶ケアガイドライン」を発表しました。ガイドラインの勧告の一つひとつは、公衆衛生上のエビデンスと人権に基づくものです。

 リプロダクティブ・ライツ・センターは、新ガイドラインに織り込まれたコア・テーマを厳選し、法律や政策に関するガイドラインの勧告を強調したファクトシートを新たに発行しました。


ファクトシートはこちら。
 WHOの新しい中絶ガイドライン:法律と政策に関する勧告のは、中絶へのアクセスを改善し、安全を守り、妊娠する可能性のある女性や少女、その他の人々の自律性を促進するために、WHOは以下の法律と政策による介入を推奨しており、ファクトシートではさらに詳しく説明されています。

>中絶の完全な非犯罪化。
>理由に基づく中絶の制限、妊娠制限に基づく中絶の禁止、強制的な待機期間を要求する法律や規制の撤廃。女性、少女、その他の妊娠中の人の要求に応じて、他のいかなる人、団体、機関の承認も必要とせずに中絶を利用できるようにすること。
>WHOのガイダンスと矛盾するような、中絶医療を提供・管理できる人を制限するような規制を廃止すること。
>良心的拒否によって生じる障壁から中絶アクセスを保護すること。
>WHOのガイドラインは、制限的な法律が、青少年、有色人種、障害者など、すでにケアへのアクセスに障害に直面している恵まれない人々に与える不釣り合いな影響も取り上げています。

WHO’s New Abortion Guideline: Highlights of Its Law and Policy Recommendations

薬による中絶と自己管理中絶に関する部分を仮訳します。

薬による中絶、自己管理中絶、中絶後の避妊と遠隔医療6


 薬による中絶は、妊娠を終了させるための非常に安全で効果的な方法として、長い間WHOによって認識されてきました。新しいガイドラインは、薬による中絶が質の高い中絶医療へのアクセスを世界的にどのように変化させたかを認識しています。薬による中絶は、「プライマリーケアのレベルで、外来患者ベースで、または薬局で提供される」ことを推奨し、アクセスの可能性を広げています。
 中絶薬はWHOの必須医薬品リストに掲載されており、人権機関は長い間、国家がそのような薬の入手可能性とアクセス性を確保する義務を認めてきました。中絶のケアにおける自律性の中心的な役割を認識し、それを裏付ける証拠があることから、ガイドラインは、中絶のための薬が施設外(例えば、自宅)で安全かつ効果的に自己管理できることを認めています。ガイドラインは、個人の状況や好みに関連した様々な理由から、中絶のプロセスの一部または全部を自己管理することができることを指摘しています。
 しかし、自己管理は「『最後の手段』としての選択肢や、機能していない医療システムの代用と見なされるべきではありません。むしろ、それは "潜在的にエンパワーするものであり、保健システムやタスク共有アプローチの積極的な延長 "として認識されなければなりません。
 12週未満の薬による中絶について、WHOは、薬による中絶のプロセスの3つの構成要素のいずれか、またはすべてを自己管理する選択肢を推奨しています。「適格性の自己評価(妊娠期間の決定、禁忌の除外)、医療施設の外で訓練を受けた保健ワーカーの直接の監視なしに行う薬の自己投与、中絶プロセスの管理、そして中絶の成功の自己評価です。