リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

死産届を義務付けたのは1946年の厚生省通知だった

本日行った厚労レクで

岩本美砂子さんから指摘があった。死産届は厚生省通知で義務付けられたもので、法律ではない。この届のために苦しめられている女性たちがいる。厚労省通知で正すべきだ。

もっともだと思ったので、そこで調べてみました。以下がその通知です。
・死産の届出に関する規程(◆昭和21年09月30日厚生省令第42号)

○昭和二十一年厚生省令第四十二号(死産の届出に関する規程)

(昭和二十一年九月三十日)

(厚生省令第四十二号)

昭和二十年勅令第五百四十二号「ポツダム宣言ノ受諾ニ伴ヒ発スル命令ニ関スル件」に基き死産の届出に関する規程を、次のやうに定める。

第一条 この規程は、公衆衛生特に母子保健の向上を図るため、死産の実情を明かにすることを目的とする。

第二条 この規程で、死産とは妊娠第四月以後における死児の出産をいひ、死児とは出産後において心臓膊動、随意筋の運動及び呼吸のいづれをも認めないものをいふ。
(昭二二厚令四二・一部改正、昭二七法一二〇・旧第三条繰上・一部改)

第三条 すべての死産は、この規程の定めるところにより、届出なければならない。
(昭二七法一二〇・追加)

第四条 死産の届出は、医師又は助産師の死産証書又は死胎検案書を添えて、死産後七日以内に届出人の所在地又は死産があつた場所の市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあつては、区長又は総合区長とする。以下同じ。)に届け出なければならない。

② 汽車その他の交通機関(船舶を除く。)の中で死産があつたときは母がその交通機関から降りた地の、航海日誌のない船舶の中で死産があつたときはその船舶が最初に入港した地の市町村長に死産の届出をすることができる。

③ 航海日誌のある船中で死産があつたときは、死産の届出を船長になさなければならない。船長は、これらの事項を航海日誌に記載して記名しなければならない。

④ 船長は、前項の手続をなした後最初に入港した港において、速かに死産に関する航海日誌の謄本を入港地の市町村長に送付しなければならない。
(昭二二厚令四二・昭二七法一二〇・昭三七法一三三・昭四五法一二・平一三法一五三・平二六法四二・令三法三七・一部改正)

第五条 死産届は、書面によつてこれをなさなければならない。

② 死産届書には、次の事項を記載し、届出人がこれに記名しなければならない。

一 父母の氏名

二 父母の婚姻の届出直前(婚姻の届出をしていないときは、その死産当時)の本籍。若し、日本の国籍を有しないときは、その国籍

三 死産児の男女の別及び嫡出子又は嫡出でない子の別

四 死産の年月日時分及び場所

五 その他厚生労働省令で定める事項
(昭二二厚令四・昭二二厚令四二・昭二四厚令四四・昭二七法一二〇・平一一法一六〇・令三法三七・一部改正)

第六条 死産証書又は死胎検案書には、次の事項を記載し、医師又は助産師がこれに記名しなければならない。

一 死産児の男女別及び母の氏名

二 死産の年月日時分

三 その他厚生労働省令で定める事項
(昭二二厚令四二・昭二四厚令四四・昭二七法一二〇・平一一法一六〇・平一三法一五三・令三法三七・一部改正)

第七条 死産の届出は、父がこれをなさなければならない。やむを得ない事由のため父が届出をすることができないときは、母がこれをなさなければならない。父母共にやむを得ない事由のため届出をすることができないときは、次の順序によつて届出をなさなければならない。

一 同居人

二 死産に立会つた医師

三 死産に立会つた助産

四 その他の立会者
(昭二二厚令一四・昭二二厚令四二・昭二四厚令四四・平一三法一五三・一部改正)

第八条 やむを得ない事由のため、医師又は助産師の死産証書又は死胎検案書が得られないときは、その理由を死産届書に附記し、死産の事実を証すべき書面を添付しなければならない。
(昭二二厚令四二・昭二四厚令四四・昭二七法一二〇・平一三法一五三・一部改正)

第九条 母の不明な死産児があつたときは、警察官は、医師の作成した死胎検案書を添附して、その旨を遅滞なく発見地の市町村長に通知しなければならない。
(昭二七法一二〇・全改、昭二九法一六三・一部改正)

第十条 死産届書、死産証書及び死胎検案書の様式は、厚生労働省令でこれを定める。
(昭二七法一二〇・全改、平一一法一六〇・一部改正)

第十一条 死産の届出義務者が正当の事由なくして期間内に届出を怠つたときは、五百円以下の過料に処する。

第十二条 過料についての裁判は、簡易裁判所がこれを行う。
(昭二七法一二〇・全改、平二三法五三・一部改正)

ただしこれに関しては、以前調べた「昭和二十三年法律第四十八号 墓地、埋葬等に関する法律」の中に「死胎」の定めがあるので、法律が無関係とはいかないかもしれません。

第一章 総則
第一条 この法律は、墓地、納骨堂又は火葬場の管理及び埋葬等が、国民の宗教的感情に適合し、且つ公衆衛生その他公共の福祉の見地から、支障なく行われることを目的とする。
第二条 この法律で「埋葬」とは、死体(妊娠四箇月以上の死胎を含む。以下同じ。)を土中に葬ることをいう。