リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

高所得国における人工妊娠中絶の方法と妊娠時期の傾向

BMJ Sex Reprod Health. 2019 Apr; 45(2): 95–103.

Published online 2019 Apr 8. doi: 10.1136/bmjsrh-2018-200149

Trends in the method and gestational age of abortion in high-income countries
Anna Popinchalk and Gilda Sedgh(2019)

仮訳します。

要旨
背景
 中絶の方法と中絶時の妊娠月齢による中絶の分布を調べることで、女性が妊娠を終了させるためにどのような選択肢があるのかを知ることができる。国や時間を超えてこれらの分布を比較することは、中絶サービスの提供に関する規制や慣行、女性の嗜好やニーズなど、これらの分布を左右する要因を理解するための重要なステップである。


方法
 自由な中絶法があるすべての高所得国について、妊娠可能年齢と中絶方法に関する公式統計を求めた。データが入手可能な24の高所得国について、2017年またはデータが入手可能な最新の年について、妊娠月齢別および中絶方法別の中絶の割合分布を算出し、可能な限り過去10年間の傾向を評価した。


結果
 薬による中絶は、大多数の国で中絶全体の少なくとも半分を占めている。大半の国では、全中絶の90%以上が妊娠13週までに完了しており、中絶の3分の2以上が妊娠9週までに起こっていた。過去10年間で、薬による中絶の割合も、妊娠9週以前の中絶の割合も増加している。


結論
 これらの調査結果は、過去10年間の中絶提供における変化を浮き彫りにしている。観察された分布が女性の嗜好の機能なのか、あるいは女性が望む時期やタイプのケアに対する障壁の機能なのかを理解するためには、さらなる研究が必要である。