リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

自己堕胎罪の起訴件数は10年間ゼロだったけど……

福島瑞穂議員の質問

第208回国会 参議院 厚生労働委員会 第14号 令和4年5月17日(2022年)
福島みずほ:中絶の堕胎罪がありますが、この自己堕胎罪について警察庁に聞きましたところ、検挙した件数、二〇一七年二件、二〇一八年二件、二〇二〇年三件、二〇二一年二件です。
政府参考人(竹内努 法務省大臣官房司法法制部長) 平成二十三年から令和二年の十年間で見ますと、各年における刑法第二百十二条の堕胎罪の起訴件数でございますが、いずれもゼロ件であるとされております


212条は自己堕胎罪。以下は215条の不同意堕胎罪、216条の不同意堕胎致死傷罪にあたる。

  • 2012年(平成24年)12月10日にも不同意堕胎罪の執行猶予付き有罪判決が下された

交際女性に中絶薬、男に有罪判決…裁判長「出産準備始めた矢先の堕胎で精神的苦痛」
讀賣新聞 2021/12/11 20:11
 交際中の女性に中絶薬を投与して流産させたとして、不同意堕胎罪に問われた無職の男(35)に対し、福岡地裁(神原浩裁判長)は10日、懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役4年6月)の判決を言い渡した。
 判決によると、男は6月、当時交際中で妊娠9週目だった女性(当時29歳)に対し、承諾を得ずに子宮収縮効果のある成分を含む薬を投与し、流産させた。

  • 2010年(平成22年)にも不同意堕胎罪の有罪判決があった。

不同意堕胎、医師の被告「起訴内容の通り」 東京地裁で初公判
2010年7月27日 19:12
 交際相手に子宮収縮剤などを投与して流産させたとして、不同意堕胎罪に問われた医師、小林達之助被告(36)の初公判が27日、東京地裁(田村政喜裁判長)であった。小林被告は「起訴状の通りです」と述べ、起訴内容を認めた。
 検察側は冒頭陳述で、小林被告は被害者と妻に互いの存在を隠しており、「被害者が子どもを産めば、妻との結婚が破談になると考えた」と指摘。妊娠した被害者の出産の意思が固かったことから「だまして子宮収縮剤を服用させるしかないと考えた」と主張した。
 起訴状によると、小林被告は交際相手が妊娠したことを知り、2009年1月、栄養補給などと偽り、子宮収縮作用のある薬剤を飲ませたり、陣痛を誘発する点滴薬を打ったりして、妊娠約6週の胎児を堕胎させたとされる。