リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

不同意堕胎 元医師に猶予付き判決

東京新聞2010年8月10日 朝刊の記事から紹介します。

 交際していた妊娠中の女性に陣痛誘発剤などを投与して流産させたとして、不同意堕胎罪に問われた東京慈恵会医大病院の元勤務医小林達之助被告(36)の判決公判が九日、東京地裁で開かれ、田村政喜裁判長は「強固な犯意に基づく悪質な犯行」として、懲役三年、執行猶予五年(求刑懲役五年)を言い渡した。

 田村裁判長は判決理由で「女性の出産で、妻と離婚することになることを恐れ、犯行に及んだ動機は身勝手で自己中心的。生命を尊重すべき医師という立場にありながら、その立場を利用して犯行に及び、強い社会的非難を免れない」と指摘した。

 一方で、事実を認めて謝罪の言葉を述べており、病院を懲戒解雇となって社会的制裁を受け、医師免許を返上する意向も示していることなどから、執行猶予付き判決とした。

気になるのは、論告求刑の際には「堕胎」としていた部分が、新聞各社とも「流産」と言い直しているところ。判決文がそうなっているのかもしれませんね。

 判決によると、小林被告は二〇〇九年一月九〜十一日、東京都内の女性宅などで、子宮収縮剤をビタミン剤と偽って女性に数回服用させ、同十二日には、約四時間にわたって陣痛誘発剤を混入した点滴を女性にして、同意を得ずに流産させた。女性は妊娠約六週目だった。

前は「堕胎させた」が主流だったのですが、どういう議論があって変えたのかな……。