リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

政府の少子化対策の推移

忘備録

少子化対策推進基本方針 1999(H11)年

2.基本的考え方
(1) 少子化の原因と背景
 近年の出生率低下の主な要因としては、晩婚化の進行等による未婚率の上昇がある。その背景には、結婚に関する意識の変化と併せて、固定的な性別役割分業を前提とした職場優先の企業風土、核家族化や都市化の進行等により、仕事と子育ての両立の負担感が増大していることや、子育てそのものの負担感が増大していることがあるものと考えられる。なお、昭和50年代前半以降、夫婦の平均出生児数は平均理想子どもの数よりも少なく、ほぼ一定の開きがあるまま推移してきているが、こうした仕事と子育ての両立の負担感が、その要因の一つとなっているものと考えられる。

第2 基本的な施策
1.固定的な性別役割分業や職場優先の企業風土の是正
(基本的考え方)
 家庭や職場、地域における固定的な性別役割分業や職場優先の企業風土の是正を図ることは、これから結婚・出産・子育てに臨もうとする若い男女が家庭や子育てに夢を持ち、また子育ての喜びと働く喜びを同時に得ることができる社会を築くための基本的な課題であるとの考え方に立って、以下に掲げる施策に取り組むものとする。
(1) 固定的な性別役割分業の是正
(職場における性別役割分担の是正)
○ 職場における固定的な性別役割分担意識を解消するための啓発活動、適切な職業選択・キャリア設計を促すための意識啓発・情報提供、女性の職域拡大につながる能力開発等の施策を推進する。
(男女の雇用機会均等の確保)
○ 企業、労働者等に対する男女雇用機会均等法の周知徹底により、男女雇用機会均等の確保を図る。また、企業における女性労働者の能力発揮を促進するための積極的取組み(ポジティブ・アクション)を普及・推進するための施策を強化する。
(家庭における男女共同参画に係る広報・啓発活動)
○ 家庭内における男女の固定的役割分担意識を見直し、家事や子育てへの男女共同参画を促進するため、広報・啓発活動を推進する。
○ 若い世代に向けて子育ての意義や喜びについての広報・啓発活動を推進するとともに、中・高校生や大学生が、地域の幼稚園、保育所、児童館などで、幼児・児童とのふれあいや交流等を経験する機会づくりを推進する。
農山漁村における男女共同参画の推進)
○ 農山漁村男女共同参画推進指針を定め、農山漁村における男女共同参画社会の形成のための施策への取組みを強化するとともに、地域社会への広報・啓発活動など固定的な性別役割分業の是正に向けた施策を展開する。
男女共同参画に関する学習の推進)
○ 子育て、家庭づくりを男女が共同して行えるよう、子どもの頃からの男女共同参画に関する学習を推進することとし、学校教育において、男女平等を推進する学習を充実するとともに、教員研修の実施等も併せて推進する。
○ 地域や家庭、職場において、幅広い世代のための男女共同参画に関する多様な学習機会の提供等を推進する。
(個人のライフスタイルの選択に中立的な社会制度の検討)
○ 女性の就業をはじめとする個人のライフスタイルの選択に中立的な社会制度を構築していくため、社会保障や税等の諸制度・慣行について、様々な世帯形態間の公平性や諸外国の動向等にも配慮しつつ、総合的に検討する。
男女共同参画社会の形成の促進)
○ 以上に掲げるもののほか、固定的な性別役割分担意識を是正し、男女共同参画社会の形成を促進していくため、男女共同参画2000年プラン及び男女共同参画社会基本法に基づき、総合的な施策の推進を図ってきたところであり、今後、同法及び同法に基づいて策定される男女共同参画基本計画に沿った総合的な施策の推進に努めるものとする。


少子化社会対策大綱 2004(H16)年

少子化の流れを変えるための3つの視点
(1)自立への希望と力
『若者の自立が難しくなっている状況を変えていく。』
(2)不安と障壁の除去
『子育ての不安や負担を軽減し、職場優先の風土を変えていく。』
(3)子育ての新たな支え合いと連帯 -家族のきずなと地域のきずな-
『生命を次代に伝えはぐくんでいくことや家庭を築くことの大切さの理解を深めていく。』
『子育て・親育て支援社会をつくり、地域や社会全体で変えていく。』


少子化社会対策大綱~新しい令和の時代にふさわしい少子化対策へ~ 2020年


2004年から性別役割分業への言及が消えている。「ジェンダーフリー」バッシングの影響ではないか。