リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

日本における女性政策の発展

偶然見つけたお茶大のジャーナルに載っていた法学者利谷信義氏の論考

これだけを見ていると、日本も大したものだと思えてくるけど、実際には21世紀に入ってからはボロボロだったような……。

日本における女性政策の発展
出だしは以下の通り……。

 真の男女平等は、女性を単に現在の男性と同じ状況に置こうとするものではなく、人間の尊厳と価値の観点から、女性にとって必要な権利(人権)を保障するものである。このような考え方からすれば、現在の男性の置かれている状況も、人間として満足すべきものとは到底言えないものであり、人権の立場から改革が必要となるであろう。だとすれば、男女不平等の是正は、女性のみならず、男性にとっても必要である。したがって、日本における女性政策は、新たな展望と改革を要求していると言えよう。そのことを反映するものこそ、男女共同参画社会という観念である。これは、1991年の国内行動計画の第一次改定においてその片鱗を見せたが、1996年7月の「男女共同参画ビジョン」及びこれに基づいて策定された同年12月の「男女共同参画2000年プラン」によって、明確な姿を示した。
 本稿は、日本における女性政策の動向を概観しようとするものであるが、その中心は、男女共同参画社会の観念がどのようにして成立したか、それがどのような問題に直面しているかを考察するものである。