リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

ジェーン・コレクティブに関する論文

Bart 1987初期の論文

Bart, P.B. Seizing the means of reproduction: An illegal feminist abortion collective—How and why it worked. Qual Sociol 10, 339–357 (1987).

本論文は、1969年から1973年に中絶が合法化されるまでの間に、彼女たちの努力によって11,000件の中絶が行われた、違法なフェミニスト中絶集団[サービス]について記述している。この素人集団のメンバー32人からのインタビューを分析することで、通常、医師が管理する医療行為を提供する上で、集団がどのように、そしてなぜこれほど効果的であったのかを明らかにする。組織の構造と、中絶前のカウンセリングや中絶後のフォローアップを含む、女性たちが中絶を得るプロセスを説明した後、集団が効果的であった2つの理由が示される。最初の5つの理由は、インタビューそのものに由来するもので、組織の社会的・歴史的背景、違法性、カリスマ的リーダー、メンバーの満足度、財政的自立を扱っている。次の9つの理由は、ザ・サービスを比較的典型的な民主的集団組織にしている要因について述べている。これらの要因の中で最も重要なのは、組織の存続それ自体に関心がないことである。この説明は、集団的民主主義組織に関するロスチャイルド・ウィット・モデルを支持するものである。また、カウンセリングは中絶を提供する側にとっても、受ける側にとっても重要であることを示唆している。

次の本にもJaneに関する説明がある。
Bloomer F, Pierson C and Claudio SE, Reimagining Global Abortion Politics: A social justice perspective, Policy Press, 2019

違法の堕胎師たちが一回500ドルから600ドルは請求してきたにも関わらず、上記によればJaneの中絶料金は50ドルとなっている。(私が訳した『ジェーンの物語』によれば、実際には50ドルを払えない人には当人が払えるだけのお金を払えばよしとされた。)