チリの中絶合法化時は女性大統領の政権下
中絶合法化当時は、一九三一年以来チリで初めての女性大統領になり、二〇一四年にはチリで初めて再選された女性大統領になったミシェル・バチェレの二度目の政権下の最終年だった。社会党のバチェレ氏は、大統領選に出馬する資格を得られない二度の政権のあいだの四年間は国連に新設されたジェンダー平等部門に務め、大統領職を退いた二〇一八年には国連人権高等弁務官に就任している。緊急避妊薬もバチェレ第一政権最終年の二〇一〇年に合法化された。https://borgenproject.org/bachelet-womens-rights-in-chile/
ロイターは、バチェレ退任の時にこんな記事を出していた。
焦点:中南米で「女性大統領の時代」終焉の意味
バチェレ大統領は、ブラジルのルセフ前大統領やアルゼンチンのフェルナンデス前大統領と共に、まん延していた女性への暴力をやめさせる法律を成立させ、公職に女性枠を設けることで議会での女性議員比率を欧州より高めるなど、地域女性の前進を象徴する存在だった。
だがいまや、女性の権利推進が停滞しないかと危惧されている。
でも、今年(2024年)はメキシコ初の女性大統領が誕生!
メキシコ初の女性大統領どんな人? 両親は科学者、ノーベル賞受賞も
朝日新聞 サンパウロ=軽部理人2024年6月3日 17時20分メキシコ初の女性大統領どんな人? 両親は科学者、ノーベル賞受賞も:朝日新聞デジタル
メキシコ大統領選で、女性として初めて当選を果たしたクラウディア・シェインバウム氏(61)。ロペスオブラドール大統領の側近だが、どのような経歴の持ち主なのか。
10年ほど前までは、政治より学術の世界での有名人だった。
両親とも科学者の家庭に生まれ、名門メキシコ国立自治大学へ。物理学で修士号、環境工学で博士号を取得した。国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)に参加し、2007年にノーベル平和賞を受賞した際のメンバーでもある。
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政界での師は、18年から大統領を務めてきたロペスオブラドール氏だ。同氏が首都メキシコ市長を務めていた00年、市の環境局長に登用された。以来、常に行動を共にしている。ロペスオブラドール氏は既存政治からの脱却を目指して新党を作り、3度目の挑戦で大統領の座に上り詰めた。貧困層を中心に今も絶大な人気を誇る「カリスマ」だ。今回の大統領選では、その政治的遺産を最大限に生かした。多くの政策を踏襲すると訴え、引き継いだ支持層の結束につなげた。
メディアの取材に対しては「私はロペスオブラドールではない」と強調する。メキシコ市長時代には、新型コロナウイルスを軽視して多くの死者を出したロペスオブラドール政権と異なり、マスクの着用を強く求めた。だが「操り人形」になるとの見方も根強く、独自色を打ち出せるかに注目が集まる。
祖父母は東欧からのユダヤ系移民で、自らもユダヤ教の家庭で育った。一方でAP通信や地元メディアによると、本人は「ユダヤ教徒」であることを公言していない。離婚した前夫との間に娘がいる。現在のパートナーは学生時代にも交際していた物理学者。(サンパウロ=軽部理人)