リプロな日記

中絶問題研究家~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

フランス・ドイツ・イギリス・モルドバの中絶の権利に関するニュース

ICWRSA Newsletter, 7 February 2025

安全な中絶に対する女性の権利国際キャンペーン(International Campaign for Women's Rights to Safe Abortion)の今週のニュースレターより
ICWRSA Newsletter: 7 February 2025


日本のリプロダクティブ・ヘルス&ライツの改善に参考になりそうな記事を要約でお知らせします。

フランス:合法的な中絶50周年の祝賀(1975-2025)

 フランスでは、1975年に中絶が合法化されてから50年を迎え、2025年1月17日に記念行事が行われました。この間、法律は社会の変化に合わせて何度も更新され、2024年3月には憲法に中絶の権利が明記されました。しかし、これらの進展にもかかわらず、実際には中絶へのアクセスが脆弱であると擁護者たちは警告しています。

 このフランスの経験は、日本における中絶の権利とアクセスの強化に向けた法的枠組みの整備や社会的支援の重要性を示唆しています。

ドイツ:中絶の完全合法化に向けたキャンペーン

 ドイツでは、活動家たちが中絶の完全な合法化を求めて改革を推進しています。2024年12月には、議会でこの問題が議論され、数千人の抗議者がベルリンとカールスルーエで完全な合法化を求めてデモを行いました。調査によれば、ドイツ人の80%が中絶が正式に違法であることに反対しています。

 この動きは、日本における中絶に関する法的制限の見直しや、社会的合意の形成に役立つかもしれません。

イギリス:紛争が女性と少女の性と生殖に関する健康と権利に与える影響に関する議会公聴会のための意見募集

 イギリスの全党議会グループ(APPG)は、紛争が女性と少女の性と生殖に関する健康と権利に与える影響について、関心のある組織や個人からの意見提出を求めています。特に、アフガニスタン、ガザ、スーダン、シリア、イエメン、ハイチ、ウクライナにおける主な課題と解決策に関する事例研究を歓迎しています。

 この取り組みは、日本における紛争や災害時のリプロダクティブ・ヘルスサービスの提供体制の強化や、国際的な協力の重要性を考える上で参考になるでしょう。

黒海の北西にある小国モルドバでは、2022年のWHO『アボーション・ケア・ガイドライン」に沿って中絶薬の遠隔医療(オンライン処方と自宅送付、自己投与)を実施してきました。ところが、最近、反中絶派の素人18人の嘆願に応じて、中絶薬の遠隔医療を禁止。これに反対した女性たちが、女性のリプロの健康と権利を保障せよとすぐさま声を上げ、国際的なオンライン署名活動を始めています。世界中のすべての個人と団体が署名できます。あなたもぜひ!

https://docs.google.com/document/d/1VVpihUcGtnHFQFTmAn8oOMEBilgHUj1S9Wob2i3VHwY/edit?tab=t.0

これらの国々の取り組みは、日本のリプロダクティブ・ヘルス&ライツの向上に向けた政策立案や社会的支援の強化において、貴重な示唆を提供しています。