リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

救急医療の改善を! 産科医の拡充を!

東京新聞のサイトに死亡した女性の夫の会見のようすが報道されていました。

妻の死 無駄にしないで 死亡妊婦の夫会見 

2008年10月28日 朝刊

 脳内出血を起こした東京都内の妊婦(36)が都立墨東病院をはじめ計八カ所の医療機関に受け入れを断られ、三日後に死亡した問題で、妊婦の会社員の夫(36)=都内在住=が二十七日、東京・霞が関厚生労働省で記者会見し「妻が死をもって浮き彫りにしてくれた問題を、都や国などが力を合わせて改善してほしい。妻の死を無駄にしないでほしい」などと、時折、涙を浮かべながら産科をめぐる救急医療の改善を訴えた。

 現在の心境について「生と死が同時に起こって混乱している。最も悲しいのは子供の顔を見るのを楽しみにしていた母親が、子供の顔を見ることができず、子供も母親の顔が分からずに、二人が会えなくなってしまったこと」と語った。

 夫は、かかりつけ医が連絡を取った病院から次々と受け入れを拒否されるのを隣で聞きながら「なぜこんな文明や医療が発展した都会で、こんなに死にそうに痛がっている人を誰も助けてくれないんだろうというやりきれない気持ちでいっぱいになった」という。

 最終的に妊婦を受け入れた墨東病院側が「脳内出血という認識はなかった」とした点をめぐり、夫は「かかりつけ医は頭痛が尋常じゃないと伝えていた」としながらも「私は誰も責める気はない。墨東病院の当直医の方が傷ついて、病院を辞めて産科医が減ったら意味がない。産科医としての人生をまっとうし、絶対に辞めないでほしい」と訴えた。

お子さんは無事に生まれたのですね。さぞお辛いことでしょう……最後のコメント、よくぞおっしゃってくださいました……。

被害者の方の死を無駄にしてはいけません。都や国だけではなく、医療の側も、一般市民のわたしたちも、できるところで動いていきましょう。(インターネット時代の今、ネットで発信していくのは、個人が手軽にできる小さな社会運動です。)