リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

メキシコで中絶論争再燃

10歳の少女が性暴力で妊娠した事件のために、メキシコで中絶の是非を巡る論争が再燃しているそうです。本日付、CNN.co.jpのニュースで見つけました。

2010.04.20 Web posted at: 17:51 JST Updated - CNN
ワールド

10歳少女の妊娠めぐり中絶論争が再燃 メキシコ

メキシコ市(CNN) メキシコで継父の暴行を受けたとされる10歳の少女の妊娠をめぐり、人工妊娠中絶論争が再燃している。少女は州の法律に阻まれて中絶ができない状態だという。

少女の妊娠は先月、母親が当局に通報したことから発覚し、継父は逮捕された。メキシコでは首都メキシコ市が中絶を認めているが、禁止したり厳しく規制していたりしている州も多い。少女が住むユカタン半島のキンタナロー州では強姦被害者の場合、妊娠90日以内なら中絶できるが、この少女の場合は既に17週以上たち、中絶できる期間を1カ月近く過ぎてしまった。

保護団体は、当局が少女に中絶の権利のことを教えなかったと主張、連邦政府や国連に介入を求めている。

少女は現在、州当局の保護下にあり、母子ともに元気だという。しかし同州議会のマリア・ハダド議員は、このまま妊娠を続ければ精神的、肉体的に深刻な問題を引き起こす可能性があると危機感を募らせる。

メキシコではカトリック教会が中絶に強く反対してきたが、リベラル色の強いメキシコ市が2007年、妊娠3カ月以内なら無条件で中絶を認める法律を制定し、論争に火が付いた。同法に異議を唱える訴訟も起こされたが、08年には最高裁が同法を支持する判決を出した。

しかし中絶権保護団体によれば、07年以降に17州が「受胎初期の生命保護法」を通過させ、キンタナロー州でも昨年、同様の法律が制定されている。