リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

NHKニュース:胎児の病気判明後の中絶増加

NHK NEWS WEBで「胎児の病気判明後の中絶増加」(7月24日 13時35分)という記事を見つけました。次のような内容です。

妊婦が受ける超音波検査などで胎児に先天性の病気が見つかり、人工妊娠中絶を選択したとみられる事例は、この20年で7倍余りに増えたと推定されることが、日本産婦人科医会の調査で分かりました。専門家は、検査の高度化が背景にありカウンセリング態勢を整える必要があると指摘しています。

日本産婦人科医会は、昭和60年以降、毎年、全国の医療機関を対象に人工妊娠中絶が可能な時期に超音波検査などの出生前診断で胎児に先天性の病気があると診断された事例について調べています。病気が見つかって人工妊娠中絶を選択したとみられる事例は、昭和60年からの5年間で836件だったのに対し、平成17年からの5年間では7倍余りの6000件に増えたと推定されることが分かりました。背景には精密な画像を映し出す超音波検査など高度な出生前診断が普及し、胎児の先天的な病気が見つかりやすくなっていることがあるということです。調査を担当した横浜市立大学の平原史樹教授は「早期に胎児の異常が疑われても、病気や障害の程度は判断できないことが多く、あいまいな診断のまま中絶を決断しているケースもあると考えられる。超音波検査は胎児の姿を観察できるため楽しい検査と捉えがちだが、異常が疑われたときのカウンセリング態勢を整える必要がある」と指摘しています。

日本は一般的な中絶全般のケアが軽視されすぎてきたのだから、カウンセリングが必要なのは出生前診断で異常が疑われた時だけではないと声を大にして言いたい。