リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

EUの女性役員比率、日本の10倍以上なのに問題視

本日付の日経新聞Web刊に「EU、上場企業に女性役員登用の義務づけ検討 比率3〜4割、法制化も」という記事が載っています。(2012/3/5 20:31)
 内容は次の通り。

 欧州連合(EU)の欧州委員会は5日、上場企業などに一定以上の女性役員登用を義務づける法案の検討に入ると発表した。役員の3〜4割を女性に割り当てる仕組みで、企業の自助努力だけでは不十分と判断した。5月下旬までEU企業、市民らの意見を聴取、年後半に法整備を最終判断する。

 欧州委員会によると、大卒者の6割は女性。一方、今年1月時点で欧州の上場企業の女性役員の割合は13.7%。レディング欧州副委員長(司法・基本権・市民権担当)はこの割合を2015年までに30%、20年までに40%に引き上げるよう求めてきたが、「企業の自主規制では満足のいく結果は得られなかった」と法整備が必要との見解を示した。

 女性役員の登用を義務づける割当制(クオータ制)は、ベルギー、フランス、イタリア、オランダ、スペインで導入済みであり、デンマークフィンランドギリシャオーストリアスロベニアでは国営企業に限って導入されたとのこと。そこで次の策として、上場企業に目が向けられた・・・

 欧州委員会が検討するのは、EU加盟27カ国の上場企業などを対象にした割当制の導入だ。現状のままだと、域内の国境を越えて活動する欧州企業は国ごとに異なる対応をしなければならず、欧州委はEU全域を対象にした制度が必要との判断に傾いた。

 欧州委によると、女性役員の登用に積極的な企業ほど収益力が高いとの複数の調査結果がある。EU市民を対象にした世論調査では、約75%が割当制に賛成で、約49%が違反時の制裁金導入が女性役員登用拡大に効果があると回答している。

きちんと違反時に罰則を科することで、有効性を担保しているんですね。

 いまのところ女性役員の登用を義務づける仕組みは欧州が日米よりも先行している。日本の国内主要企業の女性役員比率は1%未満で、先進国では異例の低さにとどまる。EUが割当制を導入すれば、ロンドンやフランクフルトなど欧州市場で上場している日本企業の現地法人も女性役員の登用を義務づけられる公算が大きい。

2011年のGovernanceMetrics Internationaの報告書によれば、日本の女性役員比率は0.9%で、「最も低い国」としてペルー、モロッコと並んで紹介されています。

 欧州で非上場の日本企業の場合でも、女性役員の登用に消極的と受け止められれば、その企業の株式が投資信託による投資先対象から外されるなどの不利益を被るリスクがある。(ブリュッセル=瀬能繁)

株価にも影響する・・・なんてことになると、政府はにわかに本腰を入れるかもしれません。何にしても、女性が能力を発揮して活躍しやすい社会になってほしいものです。