比較ジェンダー史研究会事務局のサイトより
日本の憲法の範囲において、自己決定権やプライバシー権が13条幸福追求権に位置付けられることを論じている。
「自己決定権」及び「プライバシー権」は、日本の法律には明文規定がないが、日本国憲法13条(資料1)が保障する「幸福追求権」の一つとして解釈されている。通説では、「幸福追求権」は個人の人格的生存に不可欠な権利・自由を包摂する包括的権利であり、「基幹的な人格的自律権」とされる。
「幸福追求権」には、身体・精神・経済的自由のほか、(a)人格価値そのものにまつわる権利(名誉権・プライバシー権・環境権など)、(b)(狭義の)人格的自律権(自己決定権)、(c)適正な手続的処遇を受ける権利などが含まれる。(b)の自己決定権に含まれるのは、①自己の生命、身体の処分にかかわる事柄、②家族の形成・維持にかかわる事柄、③リプロダクションにかかわる事柄、④その他の事柄(服装・身なり・外観、性的自由、喫煙、飲酒など)である 。リプロダクション(避妊や中絶など)を含む私的生活領域における自己決定権(b-③)は、人格的自律のプライバシー権(a)でもある。