リプロな日記ー産む/産まないの選択と決断、妊娠、中絶、流産…を超えて

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

再掲:【重要】流産したときに〜〜掻爬はしないで!

このブログで最も読まれているコンテンツを再掲します

2013年10月23日に掲載した記事【重要】流産したときに〜〜掻爬はしないで! - リプロな日記
です。実は、これが現在でもダントツで読まれている記事だということに、「流産」して「搔爬」を迫られている女性が今もなお大勢いるのではないかと危惧しています。

最近になって、このブログを見るようになった方が知らない情報かもしれないので、あえて再掲しますね。ご活用ください。

望んでいた妊娠を流産してしまった人に,特に流産しても次にまたぜひ産みたいと思っている人に,ぜひ知っておいていただきたいことがあります。


子宮内の赤ちゃん(正確には段階によって胚,胎児など)の死が確認され,「稽留流産(けいりゅうりゅうざん)」(胎児や胎盤などが子宮内に残っていることで,一部が外に出た場合には「不全流産(ふぜんりゅうざん)」といいます)だと診断されたとき,医師から「掻爬(そうは)手術」が必要だと言われるかもしれません。でも,流産後の搔爬は必ず受けなければならない処置ではありません。むしろ,流産後にもう一度妊娠したいと願っている人は,以下に説明するとおり,掻爬手術を受けないほうが賢明です。


掻爬(そうは)とは,道具を使って子宮の内側の膜に沿って子宮のなかみを「掻き出す」処置です。この処置をする時,多くの日本人医師は超音波エコーを使わず,「手探り」で行っています。しかも,取り残しがないようにするために,子宮内膜を全面的に掻くようにすることが長年推奨されてきました。


しかしそれでは,流産に至った今回の妊娠とは無関係な正常な内膜も掻き取られることになります。そうすることで,次の妊娠の着床率が低くなり,子宮腔癒着症などによる不妊がもたらされることもあります。つまり,できるだけ早く次の妊娠をしたいと思っている人であればなおのこと,不妊の可能性を高める掻爬は基本的に避けるべきです。


実際,日本では「中絶すると次の子どもができにくくなる」と漠然と信じられてきましたが,吸引や薬で中絶を行う諸外国ではそんなことは言われておらず、初期の妊娠中絶は次の妊娠には影響を及ぼさないと見なされています。この違いは,日本の中絶で「掻爬」が多用されていることと関連があると考えられます。


では,流産後の処置はどうすればいいのでしょう。多くの場合,いったん流産してしまったら,ほうっておいてもいつかは自然に子宮の中身が出てしまうものだそうです。だけど,流産した子をそのまま抱え続けるのはいやだとか,いつ出てくるのか分からないのでは困るとか,さっさと終わらせてしまいたいなどと感じる人もいることでしょう。


その場合には,「吸引」といって真空掃除機の要領で子宮の中身を吸い出す手術を受けるか,ミソプロストールなどの薬で子宮の中身の排出を促す方法を取るよう,医師と相談してください。(本当は,ミフェプリストン=RU486という薬のほうが簡便で確実なので、日本でも早く承認してほしいです。)


残念ながら,今の日本の医師の中には「流産したら,即,掻爬」と思い込んでいる人もいるようです。そこで,かかりつけの医師がどうしても納得してくれない場合には,他の医院に「流産したので吸引してもらえますか?」と相談してみることをお勧めします(このように他の医師から意見を頂くことを「セカンド・オピニオン」と言います)。すでに流産してしまっているのであれば,後処置を慌ててする必要は特にありません。「中から腐ってくる」なんてことはありえませんので,念のため。


望んでいた妊娠を流産で失ってしまうのは悲しく辛い経験に違いありませんが、次に妊娠した時に、できるだけ流産をくり返さないようにするために、この知識を役立てていただけることを願っています。