リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

Sex, Gender, and Pharmaceutical Politics: From Drug Development to Marketing

Gender Medicine, Vol.7, No.4, 2010

Jill A. Fisher, PhD1; and Lorna M. Ronald, PhD2
1Center for Biomedical Ethics & Society, Vanderbilt University, Nashville, Tennessee; and 2Interdisciplinary Studies Program, John Jay College (City University of New York), New York, New York


概要を仮訳します。

背景 生物学的性差や社会文化的性規範は、ヘルスケア製品やサービスの提供に影響を与えるが、性差や性規範が医薬品開発・販売の規制に与える影響については、これまでほとんど明確な分析がなされていない。


目的 本稿では、医薬品規制の概要を説明し、規制当局が科学的データやマーケティング資料の審査において、どのように性やジェンダーを考慮しているかを検討する。
方法 米国を中心に、欧州、カナダ、日本の規制モデルについても比較検討した。性差やジェンダー規範が医薬品の科学的・政策的決定にどのように影響するかを具体的な事例で示す。


結果 米国とカナダは、臨床試験に女性を参加させ、試験結果について性差に基づくサブグループ分析を行うことを明確に要求している唯一の国であることが判明した。
規制当局の決定に政治が影響を及ぼす可能性があるため、ミフェプリストン(人工妊娠中絶)とクエン酸シルデナフィル(勃起不全)の例で見られるように、基準の適用が不均一になった可能性がある。3つの詳細なケーススタディは、医薬品の開発およびマーケティングにおける性とジェンダーを考慮することの重要性を示している。第I相臨床試験、ヒトパピローマウィルス4価ワクチン、過敏性腸症候群治療薬テガセロッド。


結論 臨床試験のデザイン、新薬の承認、広告、市販後調査に至るまで、性とジェンダーは医薬品規制において重要な役割を担っている。しかし、規制当局は、生物学的性差と社会文化的性規範の両方に十分な注意を払っていない。この軽視は、女性に多く見られる医薬品の安全性の問題を無視し、ジェンダー固定観念を強化するような誤解を招く医薬品マーケティングを許容することによって、不平等を永続させるものである。性差とジェンダーに関する医薬品の規制を改善するための提言がなされている。(Gend Med. 2010;7:357-370)
© 2010 Excerpta Medica Inc.
キーワード:医薬品規制、医薬品開発、マーケティング、消費者向け直接広告、第I相試験、HPV4価ワクチン、Tegaserod、ミフェプリストンクエン酸シルデナフィル

© 2010 Excerpta Medica Inc.
Key words: pharmaceutical regulation, drug development, marketing, direct-to-consumer advertising,


この中で、PMDAの歴史(英文)が引用されていたが、現在、それは消されている。
http://www.pmda.go.jp/english/about/history.html

英語サイトで"history"と検索したらこれが出てきた。https://www.pmda.go.jp/english/about-pmda/outline/0002.html


Number of Medical Devices Approved with Clinical Data Review

                   2012 2013 2014 2015 2016
Foreign Clinical Data Only        23   34   28  23  30
Both Foreign and Japanese Clinical Data 3 8 2 11 5
Japanese Clinical Data Only 23 24 11 24 9

You can also see the details of approved medical devices including the source of clinical data in PMDA annual reports, for example, "Reference 4 Medical devices approved based on clinical trial results" in the Supplementary Information section of the "PMDA Annual Report FY 2015 (English)"PDF(Open a new window).

海外治験だけで通した件数が増えたように見えるけど、その後のデータが見当たらない。この年だけたまたまだったのかもしれない……なんて疑ってしまう。(なにしろ、あちこちごまかされているから……。)