リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

欧米では日本ほど経腟超音波検査を行わない

女性に対する「侵襲」をできるだけ回避すべき、リスク/ベネフィットを明確化すべしといった考えが根底にあるようだ


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6.正常所見8-10週www.jaog.or.jp

日本は欧米に比べて経腟超音波が普及していると思います。産婦人科には内診台が必ずあり、経腟超音波を行う専用の超音波機器をもっているのがほとんどであると思います。ですので、気軽に経腟超音波が施行でき、リスク評価に役立っているのが現状です。


しかし、欧米ではそれほど経腟超音波をしません。なぜなら、体内に器械を挿入する経腟超音波検査は侵襲的手技のひとつで、適応を考えて施行すべきという考え方があるからです。例えば、前置胎盤については、経腹超音波であきらかに常位胎盤であれば経腟超音波で確認する必要はないというスタンスだからです。早産の予測における頸管長測定についても同じです。頸管長をはかることで早産の予知や予防には限度があると考えられており、全例に頸管長を測定するために経腟超音波検査を施行することは、感染などのデメリットも含めて慎重にすべきであるという考えが根底にあるからです。