リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

拙速な承認よりも、確かな情報に基づいた判断が必要

先送りは悪いことだけじゃない

今回、多くのパブコメが集まった結果、密かに現行の中期中絶薬(国内では「劇薬」、海外では過去の薬)と同等の「厳重管理」下に置かれることが阻止されました。本日の厚労省会議で審議することになっていたのは、経口中絶薬の承認だけではありません。●生物由来製品又は特定生物由来製品の指定、●再審査期間の指定、●毒薬又は劇薬の指定という安全性に関わる3つの審議事項も掲げられていたのです。経口中絶薬は、すでに30年以上も世界中で数億単位で使われてきて、安全性と有効性のエビデンスが山ほど積まれ、WHOが必須中の必須の医薬品に指定している薬です。そんな薬に対して、上記3つの観点から安全性を審議すること自体が「見当違い」ですが、あえてそのような審議を行うことで、実際には安全な薬を「あたかも危険であるかのように見せかける」効果も持つと、海外の専門家は指摘しています。次は、正しい情報と公正な審議を求めていきましょう。