リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

ミフェプリストンもミソプロストールも「劇薬」!?

独立行政法人医薬品医療機器総合機構によるメフィーゴパックの審査報告書

p.80に下記が突然出てくる。「劇薬」と出てくるのはここだけ。

3. 総合評価
以上の審査を踏まえ、機構は、下記の承認条件を付した上で、以下の効能・効果及び用法・用量で本品目を承認して差し支えないと判断する。なお、本品目は新有効成分含有医薬品及び新投与経路医薬品であることから、再審査期間は 8 年、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、ミフェプリストンの原体及び製剤、並びにミソプロストールの製剤はいずれも劇薬に該当すると判断する。


厚労省の資料「一般用医薬品及び劇薬について」の劇薬の定義に当てはまらないように思うのだが?
p.13

劇薬指定制度について
薬事法(昭和35年法律第145号。以下「法」という。)第44条第2
項の規定に基づき、劇性が強いものとして、厚生労働大臣が薬事・
食品衛生審議会の意見を聴いて指定する医薬品のことを「劇薬」と
いい、次のような規制を受けることとなっている。
・直接の容器又は被包に「劇」の文字の表示義務(法第44条第2項)
開封販売等の制限(法第45条)
・譲渡の制限(法第46条)

  • 譲受人から、品名、数量、使用目的、譲渡年月日、譲渡人の氏名、住所、職業が記載された

文書の交付を受けることとなっている(文書は、譲渡日から2年保存)。
・14歳未満の者等への交付の制限(法第47条)
・他の物と区別して貯蔵し、陳列する義務(法第48条)

p.14

毒薬・劇薬指定基準について
(平成10年3月12日中央薬事審議会常任部会にて了承)
① 急性毒性(概略の致死量:mg/kg)が次のいずれかに該当するもの。
1)経口投与の場合、毒薬が30 mg/kg以下、劇薬が300 mg/kg以下の値を示すもの。
2)皮下投与の場合、毒薬が20 mg/kg以下、劇薬が200 mg/kg以下の値を示すもの。
3)静脈内(腹腔内)投与の場合、毒薬が10 mg/kg以下、劇薬が100 mg/kg以下の値を示すもの。
注)1.通例、医薬品の製造(輸入)承認申請に際して添付すべき毒性に関する資料に基づき判定するものであり、平成元年9月11日薬審1第24号審査第一課長通知「医薬品の製造(輸入)承認申請に必要な毒性試験のガイドラインについて」において定める「概略の致死量」以上の資料の提出を要求するものではない。
2.信頼限界が付されているものはその下限を採用する。
3.動物の種類又は投与法により、差異があるものは、原則として、最も強い急性毒性を示すものを採用する。
② 次のいずれかに該当するもの。なお、毒薬又は劇薬のいずれに指定するかは、その程度により判断する。
1)原則として、動物に薬用量の10倍以下の長期連続投与で、機能又は組織に障害を認めるもの
2)通例、同一投与法による致死量と有効量の比又は毒性勾配から、安全域が狭いと認められるもの
3)臨床上中毒量と薬用量が極めて接近しているもの
4)臨床上薬用量において副作用の発現率が高いもの又はその程度が重篤なもの
5)臨床上蓄積作用が強いもの
6)臨床上薬用量において薬理作用が激しいもの