リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

W7 JAPAN コミュニケ「フェミニストは求めます、 平等、公正、平和な未来の構築を (仮訳)」

W7 JAPAN公式サイトのDocument Centerの中に英文と日本語の仮訳を発見!

ずっと気になっていたW7 JAPANの成果文書、見つけました!


英文 Feminist Demands for Building an Equal, Just, and Peaceful Future

日本語仮訳 フェミニストは求めます、 平等、公正、平和な未来の構築を


SRHRに関する部分を仮訳から引用します。

女性のエンパワメント、意味ある参加、リーダーシップ

平和で公正、衡平で民主的な社会にとって、あらゆる多様性を兼ね備えた女性と少女(以下、女性)のエンパワメント、意味ある参加、リーダーシップは不可欠である。ジェンダーの平等と女性の権利に向けて進展が見られる一方で、体系的制度的人種主義、植民地主義帝国主義、家父長制が根強く残り、女性の意味ある参加、人権、基本的自由を制限し続けている。女性の政治、社会、経済の各分野におけるエンパワメントと平等なアクセスへの支援は、政府が一体となって取り組むアプローチを通じ、女性差別撤廃条約の完全な批准、人権条約に則ったジェンダー平等・衡平に関する国家戦略(NSGEE)によって強化され、家族、社会、経済に対し女性がより影響力を発揮できることが必要である。


W7 は、G7 首脳に以下を要請する。

(中略)

2.社会的エンパワメント、衡平性、平等な機会を実現するために、インフォーマルセクターの従事者や失業者を含むあらゆるレベル、社会階層の女性のエンパワメントを図る。教育システムを改善し、ジェンダーに配慮し、あらゆる年齢の女性の自己肯定感と自己実現を育み、性と生殖に関する健康と権利、ウェルビーイングアイデンティティに関する教育を提供し、SDGs、金融・デジタルリテラシー、新しい技術、STEAM 分野に関する教育へのアクセスと資金を増やし、医療における深刻なジェンダーバイアスを克服し、キャリアと指導的地位に就くために女性のエンパワメントを図り、継続的なリスキリングを含む関連スキルの習得を支援し、変化する仕事の世界の需要に応えられるようにする。将来世代にとっての持続可能な進展を確保するために、2030 年以降のアジェンダ策定を支援する。


身体の自律と自己決定:
ジェンダーに基づく暴力(GBV)、性と生殖に関する健康と権利(SRHR)、性的指向性自認ジェンダー表現・性的特徴(SOGIESC)

社会文化的規範や差別的な法律などの構造的・制度的要因は、あらゆる女性と少女、多様な SOGIESCの人びとなど特定の集団を疎外し続け、彼らが平等な機会を得たり、平等に社会に参加したりすることを妨げている。さらに、ジェンダー平等、SRHR、多様な SOGIESC の人びとに対する反発が高まる中、特に紛争や災害の状況下で、差別や GBV を含む暴力のリスクが急激に高まっている。私たちは、G7 各国に対し、特に GBV、SRHR、SOGIESC の分野において、最大限の身体の自律と自己決定を実現するよう要請する。


W7 は、G7 首脳に次のことを要請する。

1.身体の自律と自己決定の行使をエンパワーし支援するプログラムに資金を提供する。包括的な SRHR、統合的な GBV の回避、保護、緩和サービスを実現し、あらゆる女性や多様なSOGIESC の人びとの権利を保護するための資金を増加し継続させる。市民社会主導の団体に対する、堅実で安定した持続可能な資金を確保し、交差性を認識した上で、特に疎外され脆弱な立場に置かれたコミュニティに対して資源を配分する。

(中略)

3.すべての人が包括的性教育CSE)と性と生殖に関する健康(SRH)ケアを受けられるようにする。ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの不可欠な部分として SRH ケアの重要性を再度強調する。人道危機や緊急事態を含め、年齢、ジェンダーセクシュアリティにかかわらず、安全でユースに優しく、包括的で、権利に基づいた、性に対して肯定的で、恥の意識を抱かせない避妊、中絶、その他のSRH サービスへのアクセスを促進する。多様な SOGIESC の視点を取り入れたコミュニティベースのトレーニングやアウトリーチを通じて、学校内外で CSE を実施する。中絶の犯罪化や強制不妊手術など、SRHR に対する差別的で制限的な法律や政策を撤廃する。ICPD 行動計画、北京行動綱領、女性差別撤廃条約などの国際条約や協定に基づく SRHR への集団的努力と完全なコミットメントを再確認する。